フライパンでソテーしたり、カツレツや唐揚げなど揚げ物にしたりしていただく普段づかいの鶏肉や豚肉を、今回は晩酌向きの焼鳥ふうのおつまみにしてしまおうという提案です。
焼鳥ふうといっても、本格的なお店のように炭火を起こす必要はなし。家庭のキッチンによくある魚焼きグリルを使った一品です。ちょっとしたアイデアで、家飲みの楽しさがアップしますよ。もちろんお酒に合うことも請け合いです。
鶏肉でも豚肉でも、お好きなお肉で焼き鳥ふうに
飲食業界では、串を刺すことを「打つ」、焼鳥の肉ひとかたまりのことを「1貫」と呼びます。それではプロの焼鳥職人になった気分で、調理を進めていきましょう。
【材料】
- 肉:鶏もも肉、豚肩ロース肉 (とんかつ用)
※お肉はお好みのものをどうぞ。焼鳥といえば鶏肉ですが、豚肉でもおいしいですよ。 - 長ネギ:あまり太くないものを適量
- 塩、こしょう、ステーキ用のスパイスなど:適量
- 竹串:長さ17~18センチぐらいのもの
※スーパーの調理小物コーナーや100均などで購入できます。
【作り方】
串1本に肉3貫、合間にネギをはさみます。今回はご覧のような形で串を打ちます。
1.肉を食べ良く切ります
お肉の大きさはお好みで。この写真では1貫の幅を3.5センチほどにしています。ネギも長さに切り揃えると見栄えがきれいになります。
仕上がり(画像右)をイメージすると切りやすいと思います。小さくなったものは組み合わせて1貫にします。
2.肉の両面に塩・こしょうをふり、魚焼きグリルで両面を焼きます。
火加減はグリルの性能によって異なりますが、中火からやや強火で。火が弱すぎると焦げ目がつかず燻製のようになってしまい、おいしくありません。串の持ち手の部分は、焦げないようにアルミホイルで覆います。
3.両面がこんがりとしたら焼き上がりです。
タレ味がお好みなら、醤油、砂糖、酒を同量を混ぜて、小鍋でさっと煮詰めれば即席タレが作れます。
塩の効いた焼鳥には、ジューシーな「梅乃宿 生酛純米吟醸」
焼鳥のおいしさ。それは素材の持ち味とそれを引き立てるために効かせた塩味(えんみ)が融和したところにあります。
これに合わせる酒は、素材になじんだ塩味と溶け合うようなまろやかな酸味を抱いたものを。そして、肉のうまみを引き立てつつ食欲を軽やかに高めるようなフレッシュな酒質だと、晩酌がより楽しくなりそうです。
「梅乃宿 生酛純米吟醸」は、おりがらみのうすにごり酒です。おだやかに、甘酸っぱいフルーツを思わせる香りがふんわりと。含んでみればピリッとしたガス感が爽快。まろやかな甘味、フレッシュな酸味がじわっと口に広がりました。そして酸味の印象が心地よい後味となっています。
焼鳥とともに味わってみれば、ねらいは的中。塩味がふくらんで口の中がジューシーなうまみに満たされます。さらに梅乃宿の生酛らしいコクや米のうまみが、焼鳥の味わいを引き立てる。とにかく、このフレッシュな呑み応えが楽しくて仕方ないですね。
自家製の焼鳥ふうと「梅乃宿 生酛純米吟醸」の相性は、たとえるなら、甘辛なせんべい菓子と清涼飲料の間柄のようにカジュアルな関係です。今回の家呑みで、思いのほか存在感を発揮した1本となりました。
(文:KOTA/編集:SAKETIMES)