今回のテーマは、古酒好き必見品川の古酒バー「酒茶論」です。
年数毎の飲み比べから、みりんの古酒という希少な品まで、古酒の魅力を堪能してきました。
この記事では、古酒の面白さを様々な方法で楽しめる「酒茶論」の魅力を、存分にお伝えいたします!

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品川駅至近の古酒専門バー「酒茶論(しゅさろん)」

「酒茶論」は、長期熟成日本酒をテーマにしたバー。品川駅前の「ウィング高輪」というショッピングモールに店舗があります。開店してから既に10年以上になるそうです。
外観は一風変わっていますが、一歩中に入ると、古酒専門バーならではの意匠が凝らされているのに気づきます。古酒の細い瓶がずらりと並んでいる姿は圧巻です。

「酒茶論」こだわりの熟成古酒をご紹介!

1.三種飲み比べセット

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さっそく、頂いた古酒を紹介して行きましょう。
まずは古酒入門にお勧め、3種類の古酒を飲み比べられる「飲み比べセット」です。

今回いただいたものは、右から順に、秋田由利本荘(ゆりほんじょう)の天寿酒造「天寿古酒 大吟醸」、福島郡山の笹の川酒造「麹浪漫 純米」、新潟蒲原(かんばら)の下越酒造「誉麒麟 生もと本醸造」
左に行けば行くほど熟成年数は長く、一番長い「誉麒麟」は1998年から17年もの熟成期間を経ているそうです。

若いものから順に飲んでいくと、色も味わいも徐々に濃密に変わっていくのがわかります。最も若い「天寿古酒」では、冷蔵でゆっくりと熟成させている(「淡熟」と言われるタイプの古酒)ため、もとの吟醸酒の味わいを比較的ストレートに活かした作りなのですが、常温で長期間熟成を進めた「誉麒麟」は、いわゆる日本酒の味わいからはかなり距離のあるもので、蜜のような香りと濃厚な甘さが特徴的です。

それぞれの個性が強すぎず、一段ずつ階段をのぼって行くように、熟成度毎の味比べを楽しむことができます。入門編にピッタリの飲み比べセットです。

2.フルボディタイプの古酒から「醲献」(じょうこん)

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次に紹介するのは長野県上田シマシステムの「醲献」という熟成酒です。
こちらは、米をあまり削らないことで旨味を残しつつ、凍らせて氷となった水分を取り除きアルコール濃度を高めるという変わった手法で作られた日本酒。「水分を飛ばして濃度を上げる」という部分だけ見ると蒸留酒のような作り方ですが、冷凍で濃縮する方法とは香り成分の残り方などに違いが出てくるようです。

アルコール度数38度と日本酒としては異例の高さを誇り、バニラやナッツのような芳醇で爽やかな香りはまるでウイスキーのようです。(酒税法上は清酒ではありませんね)

味わいはコクがありつつも、過剰な突出感はなく滑らかにまとまっています。

3.古味醂(こみりん)

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最後に紹介するのは、デザート酒として頂いた古味醂
そのままのものと、コーヒーフレッシュと合わせたカクテル風のものを飲み比べることができます。

プレーンな状態では、黒糖のような甘みがねっとりと感じられる一杯。上立ち香に干し椎茸で取った出汁のような香りがあり、予想以上に和の雰囲気を感じます。
コーヒーフレッシュの入ったものは濃厚さとクリームが溶け合い、古酒の思わぬ引き出しが垣間見えます。

古酒との出会いで広がる日本酒の新たな世界

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いかがでしたでしょうか。 日本酒メインの店では熟成古酒を見かけることも多くなってきましたが、それに特化したところは未だに数少ないそうです。

日本酒全般から見ればまだ知名度の低い古酒を、どのように楽しんでもらえば良いのか。「酒茶論」で最も印象に残っているのは、古酒を味わう多彩な切り口です。
お酒毎に異なるグラス、熟成の深さを始めバリエーション豊かなお酒のタイプ、そして今回紹介したような飲み比べセットやデザート酒などさまざまな趣向。
日本酒通な人を楽しませることはもちろん、そうでない人にとっても、古酒との出会いがより良いものになるよう工夫が凝らされています。

熟成古酒好きの方はもちろん、飲んだことがないという人も、一度足を運んでみてください。きっと自分だけのお気に入りを見つけられると思います。

この記事は、テイスティング専門家の永木三月がお届けしました! みなさんの、さらに豊かな日本酒ライフに貢献できれば幸いです! 「おもしろそう」「おいしそう」、そう思ったら、シェアしてもらえると嬉しいです!

 

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