各酒蔵から新酒が出揃って、自分の好きな銘柄の今年の出来はどうだろう、なんてワクワクする季節ですね。
「ウチノミ」好きな私は、自宅で飲み比べを楽しんでいます。

今回は「ウチノミ」でより日本酒を楽しんでもらえるよう、日本酒と酒器の相性について、飲用シーン別にお伝えしたいと思います。

「ウチノミ」ならでは!酒器で雰囲気を演出

早速ですが、みなさんは自宅で飲むとき、酒器はどうされてますか?
「気にしてないよ」「ずっとウチは普段使いのグラス」「お気に入りのぐい飲みばかりだね」なんて人も多いでしょう。
でもせっかくの多種多様なお酒、酒器を変えてもっと楽しんでみませんか?

近年の日本酒はフルーティで香りも芳醇なものが増えていますし、そのおかげでファンも増えてきたことは疑う余地はありません。最近では、「日本酒をワイングラスで飲む会」のようなイベントも、あちこちで開催されています。それだけ、日本酒の香味に注目が集まってきているのは嬉しいことです。

ただ、日本酒の楽しみ方はそれだけに留まりません。

材質・形・大きさが多様である「酒器」を選ぶ、ということも酒呑みの楽しみ方のひとつではないでしょうか。これもまた、お店では出来ない「ウチノミ」ならではの楽しみですね。

普段使いからパーティーまで!飲用シーンで酒器を使いわけよう

これから紹介する酒器は、「それ以外で飲んじゃダメ」という固い話ではなく、より楽しむためのヒントにすぎません。
あくまでも「自分の好みで楽しむ」ことが酒呑みの大原則だと思います。

「普段の夕飯」

まずご自宅で飲む中で、一番多いシーンは「普段の夕飯」ではないでしょうか。

気取らず、のんびりしているシチュエーション。お酒も普段使いの「普通酒」や「純米酒」。食事とともに、それなりに量も進むでしょう。

そんな時は、この酒器。

「ぐい飲み」

それなりに量も入るため、何度も継ぎ足す必要がありません。また、比較的丈夫なため、食後の片付け中に酔っ払って割ってしまう恐れも少ないです。使用頻度も多くなるでしょうから、丈夫であることも大切な要素ですね。

「食事を伴わない晩酌」

次に多いのが、「食事を伴わない晩酌」でしょうか。

のんびり呑むのは食中と変わりませんが、食事に合わせる必要がありませんので、少し良いお酒をちびちびとやりたい、なんてシチュエーションが多いのでは。お酒は、香りが少し抑え目の「特別純米酒」などでしょうか。

そんな時は、この酒器。

「猪口」「小ぶりのグラス」

もちろん、量を飲みたい方はぐい飲みで良いですが、少し小ぶりの方が、温度変化も少なく楽しめます。徳利や片口に移しておいて、自分のペースでやるのが楽しいですね。

「寝酒」

また、もっと時間帯を絞って、「寝酒」を楽しむ方もいらっしゃるでしょう。

ごく少量を楽しんでから寝たいという方。ウイスキーではなく日本酒派であれば、しっかり熟成した「古酒」を楽しむのも良いですね。

そんな時は、この酒器。

「ウイスキー用テイスティンググラス」「ショットグラス」

または少し口がすぼまっている猪口。香りを閉じ込めて、飲む時に力強い風味と共に鼻に抜ける香りを楽しみます。熟成した古酒はとても味わい深いもの。ゆっくりと時間をかけて楽しんでください。穏やかな気持ちになって、安眠できることでしょう。

「祝い事・パーティ」

次に、晩御飯の中でもちょっとした祝い事が関係している時。友人を呼んでのホームパーティで日本酒を出すこともあるかも。
お酒も「吟醸系」で少し良いものを冷やした状態で用意するでしょう。料理もいつもより少し贅沢で、華やかに飾り立てていることもあるのでは。

そんな時は、この酒器。

「白ワイングラス」

口が広いため吟醸香がしっかり楽しめて、ボルドーグラスほど表面積がないため、温度変化も大きくありません。もちろん、量も加減しやすいです。高価なものでなくても、祝賀ムードは演出できますね。

「特別な時間」

そして、とっておきの時間。
大切な人とじっくりとなのか、自分へのご褒美なのか、それは様々だと思いますが、とっておきの「大吟醸酒」「純米大吟醸酒」など、ちょっと高価なお酒を開ける時。

そんな時は、この酒器。

「大吟醸グラス」

ここでも取り上げられていますが、大吟醸の香りを最大限に楽しむためのグラスは、有名なグラスメーカーの「Riedel」や、「うすはり」という厚みを極限まで薄くしたグラスで有名な「松徳硝子」からも販売されています。

お酒も高価なものでしょうから、そんな時こそとっておきのグラスで楽しむ。量を飲むというよりも、お酒そのものとじっくり向き合える時間になるのでは。

また和食に合わせて酒器も和のものを、ということならこの酒器。

「錫製品」

グラスとは違った華やかさがあり、オススメです。

ウチノミの楽しみは、自由に楽しみ方を変えられること。お燗酒を楽しみたい、ということであれば、また楽しみ方も変わりますね。

「ウチノミ」に決まりごとはありません。遊び心を持って、飲用シーンで器を変えて、自分ならではの「ウチノミ」を満喫してみてください!

(馬渡順一)

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