日本酒はさまざまな神事と結びつきが強いですが、今回は日本三大酒神神社についてご紹介いたします。

日本三大酒神神社とは

酒神神社とは、酒に関係のある神を祀った神社のことをいいます。

数ある酒神神社の中でも、大神神社(奈良)・梅宮神社(京都)・松尾神社(京都)の3つが「日本三大酒神神社」として全国的に有名です。

酒林の発祥として有名な大神神社

大神神社(別名・三輪神社)は奈良県桜井市の三輪山にあります。大和朝廷の神事で用いられる酒を醸すという役割を担っていた歴史があります。

神に供える酒という意味の「神酒」は現代読みでは「ミキ」ですが、昔は「ミワ」と呼ばれていたことからも、この三輪山という地がいかに酒と密接な関係があるかうかがい知ることができますね。

また、酒蔵の軒先に新酒が造られた合図として掲げられる「酒林」は、三輪山の杉の葉でつくったもののことをいい、全国の酒蔵に届けられています。

子授け・安産の神としても信仰の深い梅宮神社

梅宮神社は京都市右京区にあります。酒造の守護神と呼ばれる「酒解神(サケトケノカミ)」が祀られています。

「木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)」の言い伝えにならい、嵯峨天皇の皇后であった橘嘉智子が梅宮神社に祈願したことで子を授かったという歴史から、子授け・安産の神としての信仰も強い神社です。

酒解神は元々「大山祗神(オオヤマズミノカミ)」とも呼ばれていましたが、木花咲耶姫命が「彦火々出見尊(ヒコホホデミノミコト)」を出産した際に、酒を造ってお祝いをし、これが酒造りの祖とされていることから酒解神と呼ばれるようになりました。

日本第一酒造神として名高い松尾神社

松尾神社は梅宮神社と同じ京都市右京区にあります。大山咋神(オオヤマクイノカミ)が御祭神として祀られており、京都の松尾大社を総本山として、全国に20以上の松尾神社が存在します。

出雲にある松尾神社は「佐香神社」とも呼ばれ、ここで祀られている久斯之神(クスノカミ)は、出雲大社に全国から集った八百万の神々に酒を醸し振る舞ったという伝説があり、これを日本酒発祥とする説もあります。

出雲大社というと、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治するために、八塩折の酒と呼ばれる非常に濃く強い酒を飲ませたという話など、酒に関する伝説がたくさんありますよね。

 

日本酒は嗜好品という側面も強いですが、こうして歴史的・文化的な観点から見ることでその魅力がより一層引き出されますね。旅行などで出かけた際に、酒に縁のある場所を訪れ、その歴史を感じてみるのはいかがでしょうか。

日本酒の魅力を、すべての人へ – SAKETIMES

関連記事