SAKETIMES編集部が、いま気になるお酒をテイスティングする連載企画「SAKETIMES編集部 注目の一本」。
今回は、奈良県・油長酒造の人気銘柄「風の森」から、「風の森 ALPHA 1」をご紹介します。
日本酒の可能性を探る「風の森 ALPHA」シリーズ
「風の森」は、そのほとんどのお酒が「無濾過・無加水・生酒」という製法で統一されています。搾ってそのままのイキイキとした生酒を提供するというのが、「風の森」の基本コンセプト。自然な発泡感と爽やかでフレッシュな香り、適度な旨味が感じられる味わいは、日本酒初心者から上級者まで、幅広い層から愛されています。
そんな「風の森」には、「風の森 ALPHA」というシリーズがあります。
通常の「風の森」は、米の種類や精米歩合によって味の違いを表現するのに対して、「風の森 ALPHA」は、新しい発想と技術で日本酒の可能性を探る革新的なシリーズです。
これまでに「ALPHA 1」から「ALPHA 8」までが発売され、生酒にこだわっている通常の「風の森」では行っていない火入れ(加熱処理)をしたものや、燗酒に適したものなど、さまざまなタイプに挑戦しています。
また、シリーズを通して、室町時代に奈良県で生まれたとされる「菩提酛(ぼだいもと)」という伝統的な製法で造られていることも特徴のひとつです。
今回は、このシリーズの第1弾「風の森 ALPHA 1」をご紹介します。
「風の森 ALPHA 1」は、アルコール度数が14度と、一般的な日本酒と比べてやや低めに造られている一本。「飲んだ方にとって、日本酒の世界への扉となるように」という想いを込めて、「次章への扉」というサブタイトルが付けられています。
それでは、実際に味わってみましょう。
果実感あふれる、上品な甘やかさ
グラスを近づけると、青りんごや白桃などの果物を思わせる、フルーティーな香りを感じます。爽やかな甘味のニュアンスのほかにも、「風の森」らしいピチピチとしたフレッシュ感もあり、期待が高まる香りです。
飲んでみると、心地良い発泡感と、ジューシーで瑞々しいマスカットのような甘味があります。甘味のあとには、米由来の旨味も感じました。最後は、穏やかな酸味が全体を上品にまとめています。
口当たりには少しとろりとした質感があるため、凝縮した果汁のような印象もありました。しかし、14度というやや低めのアルコール度数のおかげで、全体的に飲みやすい味にまとまっています。アルコールの刺激や苦味もほとんどなく、すいすいと飲み進められる一本です。
食前酒として単体で楽しむほかにも、カルパッチョのような前菜料理や、生ハムなどの塩気のあるおつまみと合わせるのも良さそうです。
日本酒ビギナーにおすすめしたい一本!
「風の森 ALPHA」シリーズの代表である「風の森 ALPHA 1」は、サブタイトルに込められた「飲んだ方にとって、日本酒の世界への扉となるように」という想いを、まさに体現したような一本だと感じました。
ピチピチとした発泡感と、果実感のあふれる味わい、そしてやや低めのアルコール度数が生み出す軽やかさは、「これから日本酒に挑戦してみたいけど、どれから飲んだらいいのかわからない」という日本酒ビギナーの方にぴったりです。
日本酒の魅力を知るきっかけの一本として、ぜひ「風の森 ALPHA 1」を選んでみてはいかがでしょうか。
◎商品概要
- 商品名:風の森 ALPHA 1
- 原材料:米(国産)、米麹(国産米)
- 原料米:秋津穂100%(奈良県産)
- アルコール度数:14%
- 精米歩合:70%
- 容量:720mL
- 価格:1,496円(税込)
- 醸造元:油長酒造株式会社(奈良県御所市1160番地)
(執筆・編集:SAKETIMES編集部)