みなさまこんにちは。鯨飲系ライタースギオカです。
ご存知でしたか?
お酒の席では、当たり前の光景でもある乾杯。
なんとその起源『酒に毒が入っていないか確認するため』の行為だったんですって。
グラスを合わせた時、その勢いでお互いのお酒がグラスの中に飛び散ると想定したうえでのことだとは思うのですが「乾杯が出来る。」と言うことは、「お互いを信用できる。」という挨拶だったのかもしれません。
今も昔も、乾杯は人と人とを繋ぐ、大切な所作だったのかもしれませんね♪
いつものプチトリビアもそこそこに、今回は、小江戸川越の若き蔵人達のお話をさせていただこうと思っております。
小江戸の街とともに歩む平成生まれの酒蔵
年間600万人もの観光客が訪れる都心から最も近い観光地、川越。
「世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり」と謳われる程に栄えた小江戸川越は本場である江戸東京でも見られることが少なくなった蔵造りの町並みを大切に守り、江戸の面影を残しつつ新しい魅力も沢山詰まった素敵な町として訪れる人を楽しませてくれています。
そんな蔵の街、川越に、地元の人達に愛されている酒蔵『小江戸鏡山酒造』が御座います。
酒蔵と言うと、代々守り受け継がれて来た歴史を持っているいわゆる『老舗』というイメージがあるのに対し、
なんと平成生まれ。
平成19年創立という新しい酒蔵さんなのです。
が、しかし。
その、銘酒『鏡山』の歴史を紐解くとなんと驚く無かれ、このお酒が川越に産声を上げたのは、実は100年よりもずっと向こう、明治8年。
以来、平成12年に惜しまれつつもその幕を下ろすまでながきに渡り、川越の地酒として人々に愛されてきたお酒でした。
その川越の人達が愛したお酒と大切な歴史に、どうかもう一度息吹を!!
と言う再興を望む声に、地元の若き精鋭達が「自分達の手で銘酒『鏡山』を復活させよう!!」と立ち上がり新たに創立された酒蔵こそが、その平成生まれの酒蔵『小江戸鏡山酒造』なのです。
とは言え、では復活です。と簡単に行くはずもなく。
再び火を灯すはずの酒蔵は、既に別の事業へと変わってしまい、新しい土地へ酒蔵を建設しなければ再興のめどすら立てられない。
という試練が若き精鋭達の行く手を阻むことに。
それに加え、お酒造りに欠かすことの出来ない水が確保できない。
川越の地下には秩父の伏流水が流れているとは言え、新たに水脈を掘り出すには相当な資金も用意しなければならず二重の壁にぶつかってしまいます。
が!!!!!!
さすが小江戸と謳われる川越。
地元っこは老若男女問わずに粋でした。
若者達に心を動かされた地元の有志の人達が次々に手を差し伸べてくれたのです。
まず、酒蔵の場所の提供を名乗り出てくれたのが、同じく川越で文永13年創業と言う長い歴史を持つ『松本醤油』。
その松本醤油の代表が同じ醸造仲間として声をかけ、水と土地を提供してくれることになったのです!!
なんとか酒蔵と水源の確保も出来、こうして、平成生まれのしかも醤油蔵の一角と言う全国でも珍しい、新生『小江戸鏡山酒造』が誕生したのです。
銘酒復活
若者達の熱意と地元の有志の方々によって見事復活を果たした、銘酒『鏡山』。
若き蔵人達4名の手によって歴史ある地酒の伝統を受け継ぐと共に、時代の流れにあった味を追求するすばらしき美酒への階段をぐんぐんと昇っています。
37才の杜氏さんを筆頭に全員が30代という若き蔵人達はとにかくおいしいお酒を川越の皆さんに呑んでもらいたいと一切の妥協を許さず、酒蔵の全てのお酒を手作業で醸しているとか。
〇品質は第一の少量仕込に限る。
〇麹は丁寧に箱麹・蓋麹に限る。
〇醪(もろみ)は袋による上槽に限る。
〇火入れの際は「瓶火入れ」に限る。
〇純米酒以上の特定名称酒に限る。
この5つの約束事を大切にし全ての商品に最高級の手間とこだわり、そして情熱を持って造られている 銘酒『鏡山』新しき歴史を刻んでいる鏡山の益々の活躍が見逃せないスギオカでした。
さて。いやいやいや。
今回はここで終わりではありません♪
実は旧鏡山の酒蔵。
今は、『小江戸蔵里(こえどくらり)』と言う川越の観光施設になっているのですが。
こちらに、小江戸鏡山酒造の売店と、それに併設された鏡山酒造単体の
スギオカの大好物『角打ち』が在るのです!!!!!
しかもしかもですよ。
その情熱の日本酒、鏡山8種類を1杯200円から角打ち出来てしまうのです!!
カウンターには枡に入った塩が置かれているので、それをなめながらキュッと1杯、堪りませんよ~。
スギオカはもちろん8種類全てのお酒をいただききましたが、どれも秀逸。
特別純米無濾過生原酒は、上質な果物のような甘さ。
ちょっと驚くくらい甘みがあるにもかかわらず、
しつこい甘さが無くスッと切れる感じ。
久々に出逢えたこれは!!の1本だったので、思わす1本買っちゃいました笑
斗瓶取りの雫酒にいたっては、鏡山さんの麹の香りを残しつつ何処までも透き通った気品溢れる美酒。
もう、ただただうっとりしてしまうような1杯でした。そのほかにも鏡山のお酒で作ったスパークリングや梅酒なども楽しめるので
ちょいと1杯ひっかけてからの、小江戸川越ほろ酔い散歩♪にもってこい。
スギオカお伺いしたときは仕込みの時季が終わっていたのもあって蔵人さんの1人がお店に立たれていたので
その酒造りのこだわりを直にお伺いでき、鏡山酒造さんのますますのご活躍の未来にワクワクしてしまいました。
鏡山の蔵人さんたちは小江戸蔵里となった旧鏡山を親しみをこめて「エピソード1」と呼ばれているそう。
平成19年に新たに幕を開けた小江戸鏡山酒造の第2章。
ますます目が離せませんね♪
それではまた。明日も酔い良い素敵な1日でありますように。
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