秋田県を代表する銘酒「高清水」の製造元・秋田酒類製造が、2021年春に新商品「涼凛(りょうりん)」を発売しました。

その名前が表すとおり、四季を通して冷やして飲むことを想定した冷酒専用のお酒。普段の食卓で楽しむことをイメージした生貯蔵酒で、スッキリとした口当たりと軽やかな喉越し、ややコクのある香ばしい旨味が特徴です。

秋田酒類製造の日本酒「涼凛」

アルコール度数も13.5%と通常の日本酒よりも低めの設定で飲み疲れせず、価格も四合瓶で880円(税込)とリーズナブル。カラフルなラベルデザインが毎日の食卓を華やかに彩ります。

今回はそんなテーブルワインならぬ、"テーブル日本酒"として楽しみたい「涼凛」にぴったりなレシピを紹介します。

和食にも洋食にも合う「涼凛」の味わい

レシピを考案してくれたのは、料理家の今井真美さん。「毎日ご飯を作る人が、うれしくなる、新しい家庭料理を」をテーマに、普段の食事に取り入れやすいレシピを考案し、メディアやSNSなどで発信しています。

料理家の今井真美さん

料理家の今井真美さん

自身もお酒が大好きという今井さんに、「涼凛」を飲んだ感想をうかがいました。

「クセがなく飲みやすいのでスイスイ飲めちゃいました。魚介類からあっさり系のお肉料理、ハーブを使った料理など、和食にも洋食にも合わせやすいですね」

特に青い果実を思わせるさわやかな香りが印象的とのことで、「こってりしたクセのあるものよりは、さっぱりとした料理に合わせたい」とレシピを考えてくれました。

コンセプトは「お仕事をがんばったご褒美でおいしいものが食べたいときにも、さっと作れる家のおつまみ」。スーパーマーケットにある一般的な食材で短時間で作れるのはもちろん、晩酌のおともにも、ごはんのおかずにもなる万能メニューです。

1品目:いかと海老の昆布レモン〆め

「いかと海老の昆布レモン〆め」

まずは魚介を使ったメニューから。いかや海老のねっとりとした食感と旨味が、「涼凛」の透明感のある甘みと重なります。レモンを効かせることでさっぱりと爽やかに。ありふれたお刺身を使っておしゃれな1品を作ります。

「いかと海老の昆布レモン〆め」の材料

【材料】

  • いか(スルメイカやアオリイカなど):刺身用1パック(約100g程度)
  • 赤海老:1尾
  • 昆布:1枚
  • レモン:1/2個
  • 塩:適量
  • オリーブオイル:適量

(お好みの薬味)

  • 大葉:1枚
  • 万能ねぎ(みじん切り):適量

【作り方】

昆布の表面を軽くふく

1.「涼凛」を染み込ませたキッチンペーパーで、昆布の表面を軽く拭き、日本酒の香りをつける。

いかを食べやすい大きさに切る

2.いかは食べやすいサイズにみじん切り。赤海老は頭を取り、殻をむき、背ワタを取る。多少身が崩れてもOK。取れたら縦半分にして、2cmほどの大きさに切っておく。

切り分けたいかと赤海老にレモンを絞る

3.切り分けたいかと赤海老を昆布の上に広げ、塩をパラパラと振り、レモン1/2個を搾る。そのまま10~15分ほど休ませる。

いかと赤海老を薬味とオリーブオイルで和える

4.取り出した3に薬味を混ぜ、オリーブオイルをかけたら完成。

「いかと海老の昆布レモン〆め」と高清水「涼凛」

魚介を叩いて作るなめろうが、オリーブオイルとレモンの効果で一気に洋風に。しかも昆布で〆ることで水分と臭みが抜け、シンプルな工程からは想像できない奥深い一品に仕上がりました。

「薄味に仕上げているので、途中で醤油を垂らしたり、味を変えて楽しむのもおすすめ」と今井さん。絞ったレモンの皮を飾ったり、バケットを添えればおもてなし料理にも使えます。「涼凛」の主張しすぎない穏やかな旨味との相性も抜群です。

2品目:豚とキャベツの生姜茹で

「豚とキャベツの生姜茹で」

続く料理は、生姜焼きの食材(豚肉、生姜、キャベツ)を、茹でて味わうヘルシーな1品。豚肉とキャベツのやさしい甘みが、「涼凛」のやわらかくまろやかな甘みとよく合います。

「豚とキャベツの生姜茹で」の材料

【材料】

  • 豚肉(しゃぶしゃぶ用):300g
    ※豚バラ、肩ロースなど。あっさり食べたい場合はロース肉を
  • キャベツ:葉3枚
  • 日本酒(高清水「涼凛」):50ml
  • 水:600ml
  • 塩:小さじ1

(タレ)

  • 生姜(すりおろし):小さじ2
  • 醤油:大さじ1
  • ポン酢:大さじ1

【作り方】

1.鍋に水600mlを沸かし、塩小さじ1を入れる。

キャベツをちぎる

2.キャベツをちぎりながら、1に入れる。芯の部分から茹で始め、半生に仕上げるのがポイント。色が変わったら菜箸や網じゃくしで引き上げ、ザルなどに取り水気を切る。

豚肉をゆでる

3.2の茹で汁に、日本酒(今回は「涼凛」を使用しました)を加え、沸騰直前で火を止める。豚肉を入れ、鍋の中でほぐし、ややピンク色が残っている状態で点火。

一度沸騰させ、豚肉の色が変わったら引き上げて、水気を切ったらキャベツとともに皿に盛る。パラパラと塩を振る。

「豚とキャベツの生姜茹で」

4.生姜を皮ごとすりおろし、醤油とポン酢を1:1で混ぜたものに入れてタレを作る。食べるときは、各々、皿に取り分け、タレをかけながら食べる。

「豚とキャベツの生姜茹で」と高清水「涼凛」

お肉を茹でるときは、お湯は沸騰させず、余熱で火を通していくのが柔らかく仕上げるポイント。このとき日本酒を加えるとお肉の旨味が引き出され、臭みを消してくれます。

食べるまでに時間がある場合はごま油をまぶすと保湿効果でお肉が固くならないそう。

「つい野菜炒めにしてしまう材料でも、疲れているときは茹でた方が体に優しくヘルシー。もやしや人参など好みの野菜を加えるとボリュームアップできますよ」と今井さん。

茹でたお肉と野菜というシンプルな材料も、醤油の旨味、ポン酢の酸味、生姜のさわやかな辛味が加わることによってコクが増し、「涼凛」の豊かな味わいをさらに引き立たせてくれます。

タレに甘みが欲しい場合は小さじ1ほどのお砂糖を加えたりしてアレンジもOK。ゴマだれや梅肉だれ、ラー油などいろいろなタレを用意して食べ比べてみるのもおすすめです。

素材を生かしたメニューで楽しむ「涼凛」とのペアリング

料理家の今井真美さん

今井さんが考える、お酒のペアリングメニューのコツは「お酒の味わいの第一印象を大切にすること」。お酒を味わって何か1種類でも合いそうな食材が思い浮かんだら、そこから組み立てていくのがポイントだそう。

その際、香りも重要で、たとえば甘い香りを感じるお酒の場合は、料理にもほんのり甘みをプラスすると、一層お酒と合わせやすくなるといいます。「飲むお酒を料理にも使うと、香り同士がマッチします」と、ペアリングメニューに欠かせない裏技も教えてくれました。

「いかと海老の昆布レモン〆め」「豚とキャベツの生姜茹で」と高清水「涼凛」

コロナ禍で家飲みが増えた今、特別なシーンではなく何気ない普段の食卓にぴったりと寄り添ってくれる「涼凛」は、まさに求められているお酒と言えます。

おいしく手軽に作れるメニューを用意して、ぜひ「涼凛」の食中酒としてのバランスの良さを実感してみてください。

(取材・文:渡部あきこ/編集:SAKETIMES)

◎商品概要

  • 商品名:高清水「涼凛(りょうりん)
  • 特定名称:特別本醸造(生貯蔵酒)
  • アルコール度数:13.5度
  • 容量:720ml
  • 価格:880円(税込)

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