全国のスーパーやコンビニで見かける、赤いパックの日本酒「白鶴 まる」。漁港を舞台にしたテレビコマーシャルが印象に残っている人もいるのではないでしょうか。

「白鶴 まる」は、売上No.1(※)の日本酒ブランド。1984年に発売された、兵庫県の灘を代表する酒蔵・白鶴酒造のロングセラー商品です。手軽に購入できることだけでなく、安定した品質やリーズナブルな価格が評価され、全国各地のたくさんのファンから支持されてきました。

※インテージSRI+調べ 日本酒 2022年1月~12月 累計販売金額(全国計)

白鶴酒造「白鶴 まる」

そんな「白鶴 まる」は、この秋、パッケージデザインをリニューアルしました。このリニューアルに込められた思いとともに、長く愛される「白鶴 まる」の美味しさの理由に迫ります。

現代の生活にフィットする新しいデザイン

「白鶴 まる」の発売は、現在から約40年前の1984年。大手の酒蔵から、紙パック入りの日本酒が続々と登場した時期で、白鶴酒造も新たな市場を開拓しようと、「白鶴 まる」が誕生しました。

商品のコンセプトは「日常の食卓に寄り添う日本酒」。当時は自宅で晩酌をする人が多かったため、日々の生活の定番酒をイメージして開発されました。現在は、容量別に合計10種類のラインナップが展開されています。

「白鶴 まる」と言えば、鮮やかな赤色の紙パックに、筆で書かれた大きな丸のパッケージが特徴。発売当初から続いてきたこのデザインは、多くの消費者が目にしたことがあるでしょう。実は、細かいリニューアルを何度も行ってきているそうですが、今回のリニューアルにはどのような背景があったのでしょうか。

白鶴酒造「白鶴 まる」のパッケージデザインの変遷

白鶴酒造「白鶴 まる」のパッケージデザインの変遷

「発売から約40年が経ち、生活スタイルも飲酒シーンも大きく変化しました。『白鶴 まる』のデザインも、現代の生活にフィットするようにブラッシュアップしたいと考えたんです」(白鶴酒造 マーケティング本部 金子奈都子さん)

新しいパッケージを見てみると、紙パックの赤色が濃くなり、これまでは斜めに入っていた「まる」の文字が縦に揃いました。さらに、「白鶴」の筆文字を外して、ブランドシンボルの鶴だけを見せる仕様に。デザインの要素は大きく変わりませんが、すっきりとしたスタイリッシュな印象のデザインです。

同じタイミングで、「まる 辛口」「米だけのまる 純米酒」のパッケージデザインもリニューアルし、ブランドとしての統一感が高まりました。

美味しさの秘密は「ブレンド」

「白鶴 まる」を愛飲している人にアンケートをとると、「どんな料理にも合う」「手軽に買える」「ブランドに安心感がある」という声が集まります。多くの消費者から愛されている理由は何でしょうか。

その秘密のひとつが「ブレンド」。実は「白鶴 まる」は醸造方法が異なる6種類の原酒をブレンドして造られています。それぞれの原酒は、この「白鶴 まる」のために造られたものです。

製麹中の様子

複数の原酒の中でも、美味しさの軸となっているのは「白麹」を使った原酒。

日本酒の醸造に使われる麹は「黄麹」が一般的で、白麹は焼酎に使われます。白麹はクエン酸をたくさん出すことが特徴で、酸味の強い仕上がりになります。近年、白麹を使った日本酒は増えていますが、「白鶴 まる」の発売当初は先駆的な方法で長らく企業秘密とされてきました。

この白麹の原酒が、「白鶴 まる」の爽やかな口当たりを生んでいます。さらに、2017年には、別の原酒に麹四段製法(※)を取り入れ、よりボリュームのある味わいに。まさに「軽快な口当たり ふくらむうまみ」というキャッチコピーを体現する酒質に進化しました。

※通常の三段仕込みの後に麹を投入することで、旨味や甘みの強い日本酒を造る製法。

さらに、重要な役割を担うのが「きき酒鑑定人エキスパート」と呼ばれるテイスティングの専門家たち。白鶴酒造の独自の認定試験をクリアした社内のスペシャリストが、「白鶴 まる」の品質をチェックしています。

「ブレンドする前の原酒はもちろん、充填後や出荷前など、合計6回の品質検査が行われます。専門の機械で数値を分析することも大事ですが、最後はお客様の口に入るものなので、人間の舌で確認しないとわからないことも多いんです。いつどこで飲んでも同じ美味しさになるように、品質管理を徹底しています」(金子さん)

白鶴酒造の研究所に保管されている酵母

使用している酵母は、白鶴酒造が研究開発したオリジナル酵母。また、パッケージには「国産米100%」と書かれていますが、ただ国産米を使うだけでなく、全国統一の基準で農産物の品質を格付する「農産物検査」で等級がついた米しか使わないというこだわりを、発売当初から守り続けています。

「良い日本酒を造るためには、良い米を使うことが大事。『白鶴 まる』は製造量が多いため、さまざまな種類の米を状況に合わせて使い分けています。当然ながら、米の個性には差があります。そんな中で、安定した品質に仕上げなければならないため、原料処理や発酵管理には細心の注意を払っています」(金子さん)

精米された「白鶴錦」

日常に寄り添う商品だからこそ、品質には厳しく。「白鶴 まる」は、リーズナブルな価格でありながら、妥協せずに品質を追求しています。そこには、消費者に良い日本酒を届けたいという白鶴酒造のプライドが感じられました。

これからも、日常に寄り添い続けるために

「白鶴 まる」は、日経POS 紙パック入り清酒(900mL相当)カテゴリーにおいて、20年連続で売上No.1に輝いています。さらに昨年は、500mLサイズの商品が「日経POSセレクション2022(※)」にも選ばれるなど、さらに評価が上がってきています。

※日本経済新聞社が小売業のPOS(販売時点情報管理)データに基づき、その1年間に売上を伸ばした商品が選出される。

「『白鶴 まる』を購入していただいている方々の年齢は、他の商品と比べて高めですが、『祖父が飲んでいるのをみて、私も飲むようになりました』という若い世代の声など、幅広い世代の方々に手に取っていただいている実感があります。お客様には、本当に感謝しています」(金子さん)

さらに、新しい飲み方の提案にも挑戦していきたいと、金子さんは話します。

「発売当初のチラシにも書いているのですが、『白鶴 まる』はオンザロックやソーダ割でも楽しめます。レモンを絞ると、より飲みやすくスッキリとした味わいになるので、個人的におすすめですね」

さまざまなトレンドが生まれる昨今の日本酒シーンにおいて、日々の生活に寄り添う定番酒としての役割を全うし続ける「白鶴 まる」。今回のデザインリニューアルを機に、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

(取材・文:渡部あきこ/編集:SAKETIMES)

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