SAKETIMESをご覧のみなさん、こんにちは。週刊KURAND編集部です。
私たちKURANDは日本酒専門の酒屋です。「KURAND SAKE MARKET(クランドサケマーケット)」のような日本酒飲み比べ店舗を運営している私たちが酒屋と名乗ると、「???」と思う方もいると思います。
本日は私たちKURANDが考える「酒屋」ついてお話します。
そもそも酒屋とは?
街を歩いていて、酒屋をよく見かけますよね。酒屋と聞くと「蔵元(メーカー)が造ったお酒を販売する小売店」を思い浮かべる方が多いと思います。みなさんの近所にも、昔から営業してる酒屋があるのではないでしょうか。少し薄暗い店内に、ぎっしりとお酒が並んでいて、たまに醤油や塩などの調味料やおつまみを売ってる酒屋もあります。ワイン専門店や、日本酒専門店もたくさんありますね。これが一般的な酒屋です。
居酒屋は酒屋から始まった。昔の酒屋とは?
昔は自分で酒を造り、売るところを酒屋と言い、いまの蔵元と酒屋が一緒の形態でした。次第に、大きな蔵元が自分のところのお酒の販売窓口として、各都市に営業所として店舗を運営するようになったり、他のところで造ったお酒を販売する酒屋が登場するようになります。
さらに昔は一升瓶がなかった時代、町の酒屋はまだ酒樽からの量り売りでした。酒屋の店主が、お客さんの好みに合わせて、店主がブレンドしたものを販売していたのです。これも一つの酒屋の力量とされて、ファンのお客をつくっていました。お酒とお酒をブレンドするブレンダーとしての役割もあったのですね。
また居酒屋という言葉は、そこに「居る」ことができる「酒屋」という意味になります。つまり、酒屋がその場でも飲めるように席を作ったことが居酒屋の始まりであったとされています。江戸時代では酒屋でお酒を飲む行為を「居酒」と言ったそうです。酒屋で飲む行為を「居続けて飲む」ことから「居酒」として、「居酒」専門のお店が居酒屋になったということですね。
一口に酒屋と言っても、時代によって役割が変わってきているということがお分かりいただけると思います。
これからの時代、酒屋はどうあるべきか
このように、酒屋のあるべき姿は、時代によって変わっています。現代社会では既存ビジネスのあり方も転換期を迎えていて、いままでの酒屋の商売ではなく、これからの時代の酒屋のあるべき姿が問われています。
また酒類販売の自由化に伴う大手との価格競争により、多くの酒屋が潰れ続けています。日本酒を売る場所は減少し、蔵元の販路も無くなってきています。
日本酒専門の酒屋の役割は、ただ日本酒を販売するだけでは無いと私たちKURANDは、考えています。日本酒と出会う機会の提供、日本酒を伝えること、日本酒を楽しむ、良い日本酒を造るなど、いままでの業界の縛りを超えて、これからの酒屋に求められることはたくさんあるはずです。
ほとんどの日本酒専門店は、有名で人気な銘柄を仕入れて販売するお店が多いです。置いておけば自然に売れるお酒を仕入れて、自分たちで販売する努力をしていない酒屋が多いと感じています。売れる銘柄に頼って市場を広げる努力をしない酒屋は、本来の商売をしていないのではないでしょうか。美味しいお酒を造るのが、蔵元の役目。そして、日本酒のファンをお客さま視点で増やすのが、酒屋の役目です。
私たちKURANDのミッションは「日本酒に新しい価値を」
新しい時代の日本酒専門の酒屋を目指すため、私たちは酒屋と名乗っています。
それでは、本日も素敵な日本酒ライフをお過ごしください。