今でも日本酒ファンの多くが好きと公言する「辛口」の日本酒。人間の舌というのは本当にあいまいで、酒蔵さんや飲食店の店員さんに「辛口のお酒はこれです!(ドンッ!)」とおすすめしてもらいお酒を飲んでみても「あれ、、?辛くない」と思うことも多いのではないでしょうか。

ですので、今回はなぜ辛口日本酒と言われているのに”甘く”感じてしまうのか、また本当の辛口日本酒とはなんなのかをお伝えしようと思います。辛口好きのみなさん、これを知っていれば、周りから頭ひとつ抜けた「辛口好き」になること間違いなしです。

 

1. 日本酒の辛さの指標ってあるの?

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日本酒の辛さとは、実際は私たちがお酒を飲んでみて「辛い」と判断するものですが、一応基準になる「数値」があります。
この数値を「日本酒度」と言いますが、よく日本酒のボトルの裏レベルや、丁寧なお店だとメニューにお酒の名前と一緒にこの数値が書いてあることがあります。「−(マイナス)」「+(プラス)」の数値で表されています。

この数値とは、お水よりそのお酒が軽いか重いかを示すものです。糖分はお水より重いので、糖分が多いほどお水より重くなる、つまり「−(マイナス)」になり、糖分があまりなくお水より軽いお酒であれば「+(プラス)」を示すお酒になるというわけです。
数値だけで考えるのならば、糖分があまりなくお水より軽いお酒=日本酒度が高い=辛い日本酒ということになるわけです。

 

2. 実は日本酒の辛口は「難しい」

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でも、本当は日本酒度では日本酒の辛さは測れないのが実状なのです。それが面白さでもあるのですけど。
日本酒の辛さは、酸味や渋みなど味わいのさまざまな要素が複雑に絡み合って決まるんですね。

まず、念頭に置いておいて欲しいのが、日本酒はもともと「お米」から造るものなのでお米の甘味は必ず感じられてしまうものなのです。(みなさん、ご飯を食べると甘く感じますよね?)ですから、いくら辛口の日本酒と言っても甘味は感じられてしまうものだと知っておいてくださいね。

私も飲食店で働いていたころ、辛口の日本酒が欲しいという注文をよく受けました。
常連さんやどんなお酒が好きか知っているお客様にはどのタイプの辛口が好きなのか、判断することができますが、そうじゃないときは、「お客様が言う辛口はどんなタイプなんだろう」とよく考えていました。舌にピリピリと感じる辛さなのか、飲み口が爽やかなものを指しているのか、フルボディのどっしりとした日本酒くさい辛さなのか、、、。意外に「辛口」と注文を受けても、お酒を選ぶ側は困っている場合もあるのです。

 

3. あえて教えちゃう日本一「辛い」日本酒

辛口日本酒をお教えする前置きが長くなりましたが、「辛口」という定義が難しいことは承知の上で、今回は「日本酒度が高い日本酒=辛口日本酒」と定義して、あえて日本酒度+20越えの日本一「辛口」の日本酒TOP3をご紹介します。

 

第3位【+20.0】

sake_over_plus20_3(出典:楽天

くどき上手「ばくれん」吟醸酒 超辛口 +20

辛口日本酒と言ったら辛口好きのみなさんは、こちらを思い浮かべるのではないでしょうか?

品の良いフルーツの香りと後味のキレの良さは、飲み飽きしない爽やかなお酒です
ばくれんとはもともと「すれっからし(すれていてずるがしこいこと)」の意味ですが、ラベルの女性がワイングラスでお酒を持ちながら片方の手でカニを持っている絵からも今の世に満足しない豪快さを表しているようにみえますね。

第2位【+23.0】

sake_over_plus20_2(出典:楽天

常山(じょうざん) 特別純米 とびっきり辛 +23

お酒のネーミングから「とびっきり辛」とは、本当にわかりやすいネーミングですね。

味わいはたしかに辛い。けれど、この日本酒度数であるにも関わらず、うっすらと旨味がのこっているのが特徴のお酒です。どこまで辛口の酒が造れるか?という課題のもと造られるお酒だそうで、このシリーズをつくりはじめたころは+19だったのが、いまや「+23」にまで高い日本酒度になっています。造り手の努力が日本酒度に表れていますね。

第1位【+25.0】

sake_over_plus20_1(出典:酒泉 春山

刈穂 超弩級(ちょうどきゅう) 気魄(きはく)の辛口 日本酒度+25 山廃純米生原酒

すごい名前がついていますが、まさに超ド級で気迫を感じる日本酒「+25」!これには驚き。

そしてまたさらに驚きなのが、口にふくむと意外にも「やんわりとふくらみのある味わい」だということです。原酒なので味わいのボリュームの強さもあり、そして最後のキレと、飲む前の名前に始まり、飲んでからも、様々な衝撃がある日本酒です。

参考商品

【追記】まだあった!【+28.0】
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(出典:楽天

山法師 純米生原酒 爆雷辛口

なんと+25.0を3度も上回る日本酒がありました。口に含んだ瞬間から一気に辛さが広がるそう。まさにその味わいは「爆雷」なのでしょう。
また、こちらの「山法師 純米生原酒 爆雷辛口」については、福岡県久留米で飲食店をされている溝口雅彦さんに情報をご提供いただきました!ありがとうございます。ちなみに、溝口さんのお店では実際にお客様にご提供されたこともあるそうですよ。
どのような味わいなのか、一度は飲んでみたいですね。(2014年11月18日追記)

参考商品

番外編【+66.0】

sake_over_plus20_4(出典:楽天

越後武士 さむらい

な、なんと日本酒度が「+66.0」もあるお酒が存在します。

ではなんで、1位ではなく番外編なのかというと、このお酒、アルコール度数は46%もあるのです。法律上、日本酒は22%までとされていますので、日本酒の造り方をしていても(このお酒は醸造用アルコールを多く入れることで高アルコールになっています。)、このアルコール度数の高さゆえにリキュール扱いなのですね。
それにしても驚異的な日本酒度!気になりますよね。

以上です!

日本酒の辛さは数値では測れないと分かっておきながらの、辛口番付、いかがでしたか?
これらの日本酒を飲んでいただくと、「日本酒の辛口とはなにか」についてなにか分かることがあるかもしれません。また「日本一の辛口ってどんなものだろう」と興味半分に飲んでみるのもよいでしょう。

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