六本木ヒルズにて2月5日〜14日まで行われている「CRAFT SAKE WEEK」。2日目は秋田県の酒蔵が集まった。

山本合名会社「山本」
秋田醸造株式会社「ゆきの美人」
合名会社栗林酒造店「春霞」
福禄寿酒造株式会社「一白水成」
新政酒造株式会社「新政」
株式会社齋彌酒造店「雪の茅舎」
阿櫻酒造株式会社「阿櫻」
秋田清酒株式会社「やまとしずく」
株式会社木村酒造「福小町」
日の丸醸造株式会社「まんさくの花」

以上の10蔵がこの日の参加蔵だ。

今、秋田県の日本酒は大変注目されている。雑誌やイベントでも引っ張りだこの忙しさだ。

現在は酒造りの真っ最中。そんな中、大人気のこの10蔵が一斉に顔を合わせるのは滅多に無い、大変貴重な一日となった。
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限定酒や新酒もあって素晴らしいラインナップ。

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合名会社栗林酒造店「春霞」
山本合名会社「山本」

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株式会社木村酒造「福小町」

 

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日の丸醸造株式会社「まんさくの花」

 

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株式会社齋彌酒造店「雪の茅舎」


プロデューサーである中田英寿氏もブースを回り、お酒を愉しむ一コマも。
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参加者も酒蔵も愉しめるSAKEイベント

当日は日本人のみならず、外国人の参加者も目についた。また、日本酒ファンはもちろん、日本酒ファンではないがふらっと通りかかった方など、さまざまな人が集まっていた。

会場にいる方にこのイベントの魅力を尋ねてみた。

毎日コンセプトが違うことに魅力を感じるコンセプトがちゃんとあると、この日は行ってみようと思える。その中で好きなお酒に惹きつけられて、更に知らないお酒も飲んでみたくなる。なかなか自分では買えないこともあるけれど、このようなイベントに来るといろいろな銘柄を楽しめるのが嬉しい」と満喫されていた。

さらにイベント終了後、本日出店した阿櫻酒造の稲上憲二氏にお話を伺った。
「とても良いイベントだった。ただ多くの酒蔵が集まるだけでなく、テーマを持って10蔵という限られた蔵が参加しているそれにより、飲んでもらってお気に入りの好きな酒を見つけてもらえたり、銘柄を覚えてもらうことができた
酒蔵にとっても素晴らしいイベントとなったようである。
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世界にSAKEを発信 「JAPAN CRAFT SAKE CAMPANY」

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CRAFT SAKE WEEKを主催する「JAPAN CRAFT SAKE CAMPANY」の方に、今回のイベントについて話を伺った。

COO・柿添尚弘氏「六本木から世界へ」

「参加蔵はすべて、日本の酒蔵を100蔵以上を訪れた中田英寿氏が厳選した。選んだ基準は、美味しいことはもちろん、日本酒は生産を芸術まで高められた芸術品であるという考えに基づいています美しいと感じる酒・地域性に特化した酒・若手が頑張って醸した酒・皆に知ってほしい酒に声をかけた」とのことだ。

六本木ヒルズで開催した理由は、「クラフトビールも今や全国でイベントが行われるようになったが、その始まりは東京だった。さらに六本木であれば海外の方々にも目に触れやすく世界に広めるのに最適な場所であると考えた」のだそう。

Rebekah Wilson-Lye氏「日本酒からはじまる幸せ」

Rebekah氏は先日、JAPAN CRAFT SAKE COMPANYに入社したばかり。日本酒を世界に向けて発信するための役割を担っているという。回は会場で海外の方に英語で日本酒の説明を行っているとのこと。彼女はニュージーランド出身。日本酒を好きになったきっかけは、11年前に来日した際に歓迎会で出された静岡県の「磯自慢」飲んだこと。母国で飲んだ日本酒とは全く違い、香りも味も綺麗で素晴らしいと感じたそうだ。

ワインを愉しむ文化では、そのワインに合わせたグラスを使用する。「日本酒を愉しむ際にも、お酒に合わせて酒器を選んでほしい。お酒を飲む場から日本語を使えるようになり、日本酒のおかげで地元の食材、郷土の文化や雰囲気を知ることができた。このような素晴らしい毎日が送れていることがありがたい。日本の若い人たちに、世界の方に、この素晴らしさを伝え、幸せを分かち合いたい」と熱く語ってくれた。
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(左:Rebekah Wilson-Lye氏  右:山本合名会社 山本友文氏)

「偉大なる秋田地酒大軍団」のラインナップ紹介

株式会社木村酒造「福小町」

元和元年の1615年創業。平成15年に創業400年を迎えた。2012年に国際的なワインコンテスト「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2012」のSAKE部門で「福小町 大吟醸」が最高賞「チャンピオン・サケ」を受賞。

福禄寿酒造株式会社「一白水成」

NEXT5(※)の一蔵。一白水成は「白い」お米と「水」から「成」る「一」番旨い日本酒の意味から名付けられた。山内杜氏の一関仁氏を中心に「米の旨味を十分に引き出した酒」を造ることを目指している。

山本合名会社「山本」

NEXT5の一蔵。世界遺産「白神山地」の伏流水を地下水としてではなく、湧き出たそのままの状態で蔵に引き込み使用している。「酒造りは米造りから」を徹底させ、自社の仕込み水が100%流れ込む棚田で蔵元が自ら酒米の栽培をしている。

合名会社栗林酒造店「春霞」

NEXT5の一蔵。名水百選にも選ばれた六郷の湧水群の中心に位置する蔵で湧き出る水を仕込み水に使用し、蔵のある美郷町に由来する美郷錦、美山錦など地元産の酒米に力を入れている。

新政酒造株式会社「新政」

NEXT5の一蔵。現在最古の清酒酵母となった「きょうかい6号酵母」発祥の蔵全量秋田県産米、全量純米造り、醸造用副原料も使用しない、 すべて当蔵発祥のきょうかい6号での仕込みが造りのポリシー。仕込みタンクに木桶を用いており、古式生酛酒母での仕込みに挑戦している。

秋田醸造株式会社「ゆきの美人」

NEXT5の一蔵。マンションの1Fにあり、そこで造りも行う珍しい酒蔵。最新鋭の設備を持ち、空調などが徹底管理されている、とても清潔な蔵。この環境を活かし、一年を通して造りを行う四季醸造(年間醸造)の酒蔵である。

秋田清酒株式会社「やまとしずく」

1994年に秋田県内の有志酒販店と当蔵で立ち上げたブランド。「やまと」とは創業家である伊藤家の屋号で、創業当時「ヤマト酒造店」と名乗っていたことに由来している。原料米は全て、創業家、蔵人、地元契約農家の田んぼで栽培された酒米を使用し、地域性と個性のはっきりした美味しい酒を造ることが「やまとしずく」のコンセプトである。

阿櫻酒造株式会社「阿櫻」

明治19年にかまくらで有名な雪深い町・秋田県横手市に創業。2016年に130周年を迎えた。奥羽山系から湧き出る良質な伏流水(軟水)を仕込み水としている。山内杜氏である照井俊男氏は2015年に黄綬褒章を受章。昔ながらの設備が多い蔵で、技の粋を集めた長期低温醗酵の秋田流寒仕込で醸している。

株式会社齋彌酒造店「雪の茅舎」

銘柄の雪の茅舎は茅ぶき屋根の民家が点在する雪深い蔵のある地域の冬景色を表現して名付けられている。山内杜氏である高橋藤一氏が中心となって酒造りを行っている。地形の高低差を生かした蔵、新山の良質な湧水、櫂(かい)入れしないなど、自然の力による酒造りを行っている。

日の丸醸造株式会社「まんさくの花」

地元の農家と契約し自家精米にこだわり、できたお酒は槽絞りを行っている吟醸酒以上のお酒は全て瓶による貯蔵を行い、熟成にも最良の方法を、というこだわりを持つ。山内杜氏である高橋良治氏は2014年には黄綬褒章を受章している。

※ NEXT5・・・秋田県内の5蔵が技術交流や情報交換を目的に結成した蔵元集団。それぞれの酒蔵が作業を分担し造る共同醸造酒を始め、話題性のあるイベントなども開催している。
「CRAFT SAKE WEEK」は、14日まで!毎日魅力的なコンセプトとともに開催されている。みなさんもぜひ、足を運んでみては?

(文/三浦 環)

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