"100年誇れる1本を。"をテーマに掲げる、最高級日本酒ブランド「SAKE100(サケハンドレッド)」。

これまでにリリースした商品は以下の4種類。100年先も色褪せることのない、四者四様の味わいと至高の価値を持つ日本酒を提供しています。

  • 上質な味わいを追求し、国際的にも評価されたフラッグシップ商品『百光-byakko-
  • 耕作放棄地を開墾し、その土地で育てた酒米を使って醸した純米酒『深豊-shinho-
  • 累乗仕込みにより、蜜を思わせる甘美な風味を持つデザートSAKE『天彩-amairo-
  • 阪神淡路大震災で倒壊した酒蔵に残った、酒母搾りの24年熟成酒『現外-gengai-

SAKE100のメニューブック

さらに、日本酒体験にも価値の創造を目指すSAKE100は、日本酒を楽しむ新たなシーンを創り出す活動のひとつとして、至高のペアリングイベントを定期的に開催しています。

今回の舞台となるのは、パレスホテル東京にある「Grand Kitchen」。SAKE100と一流ソムリエ、料理人が掛け合わさり、特別なペアリングディナーが開催されました。今回は、その様子をレポートします。

最高のペアリングを予感させる空間

一流のラグジュアリーホテルで、都心の夜景を臨む最高のロケーション。気分が高揚するなか、アペリティフ(食前酒)として最初にいただいたのは、新鮮な巨峰を混ぜ合わせてサングリア風にした『深豊』のカクテルです。

『深豊』と巨峰のサングリア

ぶどうのジューシーな甘味と『深豊』のやわらかさが合わさった、口当たりのいい一杯。ラズベリーでほのかに色付けされた鮮やかな赤紫色が美しく、リラックスした気分で参加者同士の会話もはずみます。

席に着くと、さまざまな形状のグラスがテーブルに並んでいました。メニューは今回のディナーのために考案したという特別な6品。グラスの形状から温度に至るまで、こだわり抜いたSAKE100の4銘柄が料理に合わせて提供されます。

「SAKE100」のペアリングディナーの会場

ペアリングにあたり、「ソムリエや料理人と何度も議論を重ね、提供するお酒の最適な温度帯や料理とのバランスを探ってきた」と語るのは、SAKE100を運営するClear・代表の生駒龍史。

Clear・代表の生駒龍史

Clear・代表の生駒龍史

「自分たちも本当に美味しいと思えるペアリングが完成しました。接客やサービスも含めた、最高の日本酒体験をお約束します」と、自信を感じさせる表情です。

また、ペアリングをいっしょに組み立てたソムリエは、「味覚、嗅覚、視覚などの五感と、第六感の感覚を味わっていただくことがテーマです」とコメント。SAKE100と料理のペアリングに、ますます期待が高まります。

料理や温度により、日本酒の表情が変化する

雲丹×『百光』5℃

さっそく一杯目。5℃まで温度を下げた『百光』が、ワイングラスに注がれます。『百光』は、ユリの花を思わせる上品な香り、瑞々しい甘さや穏やかな旨味、余韻の長さが特徴です。冷やして飲むと、いっそう清涼感が引き立ちます。

雲丹×『百光』5℃

合わせる前菜は、シェフのスペシャリテでもある雲丹。丸い殻の中に、クリーミーで濃厚な雲丹のムース、その上には雲丹とキャビアが添えられています。殻の下には岩塩が敷き詰められ、ピンクペッパーや薄紫のエディブルフラワーがアクセントとなり、見た目にも華やかです。

雲丹の濃厚な旨味、そしてムースのクリーミーな食感を味わいながら『百光』を口に含むと、旨味の輪郭がはっきりしてきます。キャビアの塩味が、磯を感じさせる雲丹の風味と『百光』の繊細な旨味をしっかりとつなぎ、絶妙なバランスを作り出していました。

カンパチのタルタル/ライム風味のカリフラワーピュレ×『百光』10℃

次のお酒は、10℃の『百光』。5℃のものと比べると、口当たりがよりやわらかくなり、甘味や旨味が増していきます。

これには、カンパチのタルタルを合わせます。料理の仕上げに『百光』を霧吹きすることで、さらに強い同調に。カリフラワーの甘味が詰まったピュレが、美しくお皿を飾ります。

カンパチのタルタル/ライム風味のカリフラワーピュレ×『百光』10℃

とろりとしたカンパチのタルタルは、旨味の素であるアミノ酸が豊富。さらに、上に乗せられたポーチドエッグを割って食べることで、卵黄のグルタミン酸が加わり、旨味の相乗効果で味わいがふくらみます。ライムの爽やかさも魚介の旨味をぐっと引き立てていました。

10℃で甘味や旨味が立ってきた『百光』がカンパチや卵のアミノ酸と同調するという、味わいに複雑さをもたらすペアリングでした。たった5℃の違いで、お酒の表情が変わるのもおもしろい発見です。

フルムダンベールのリゾット×『深豊』45℃

続いて、45℃まで温度を上げた『深豊』がワイングラスに注がれます。温かいお酒をワイングラスで飲むのは初めての体験。お猪口で飲むよりも口当たりが滑らかになり、しっかりと香りを感じることができました。

フレッシュな生原酒をあえて温めることで漂う、栗やナッツのようなふくよかな香りにほっこり。ソムリエの「みんなで温泉に入ったような、リラックスしたイメージです」という言葉にも納得です。

フルムダンベールのリゾット×『深豊』45℃

料理は、フルムダンベールという青カビタイプのチーズで作ったリゾットを合わせます。酸味のあるチーズときのこの香りが立ち上がり、温かい『深豊』の香りとぴったりの相性です。

旨味、酸味、甘味、苦味が凝縮されたチーズは、実はお酒と合わせるのが難しい食材と言われています。このペアリングを完成させるために、チーズとキノコの量を何度も調整して、お酒とのバランスを生み出したそう。

温度によって旨味や甘味が引き出された『深豊』が、チーズやキノコといったコクのある食材とやさしく寄り添う。秋にぴったりなペアリングでした。

舌平目とホタテのターバン/レモングラス風味のビスク×『百光』0℃

「ワインの世界では考えられないサービスですが......」と言いながら、ソムリエが差し出したのは、冷凍庫でシャーベット状にした『百光』の入ったワイングラス。そこに5℃の『百光』を注ぎ、0℃の状態を作り出します。燗酒で緩んできた感覚を、シャキッと目覚めさせる嬉しいサプライズです。

通常は、お酒を冷やしすぎると香りを感じにくくなりますが、『百光』は超低温でもシャープでクリアな香りが引き立ちます。余計なものを削ぎ落としたような、洗練された香りです。

舌平目とホタテのターバン/レモングラス風味のビスク×『百光』0℃

合わせるのは、魚介の旨味を凝縮させた一皿。舌平目とホタテのターバンに、甲殻類で出汁を取った濃厚なビスクが注がれています。

「0℃の『百光』で、口内にキリッとした酸味とビターな後味を残すことで、料理の旨味や甘味が最大限に感じられるんです」と、各テーブルを回る生駒の解説。シャープな苦味は魚介の旨味を引き出し、心地よいコクを感じさせてくれました。

国産牛フィレ肉のグリル フィナンシェール風×『現外』10℃

メインの濃厚な肉料理に合わせて提供されたのは、24年という長い歳月の熟成により生まれたヴィンテージ日本酒『現外』です。

国産牛フィレ肉のグリル フィナンシェール風×『現外』10℃

お酒単体でも強いインパクトがあり、なんといっても香りの複雑さが特徴的。発酵系の調味料をはじめ、カラメルやはちみつ、ナッツなどの香りが重なります。

その凝縮された香りから濃厚なお酒を想像しますが、口に含むと感じるのはクリアな酸味。複雑さがありながらも、生き生きとした風味を感じさせてくれます。

10℃という温度帯にした意図について、ソムリエは「温度を上げすぎると香りの印象が強くなり、冷やしすぎると苦味が強調される。高級白ワインと同じ10℃くらいがベストでした」と語ります。それに合わせて、グラスは口径がすぼまって酸味がしっかりと感じられる、高級白ワイン向けのモンラッシュグラスを採用しています。

国産牛フィレ肉のグリル フィナンシェール風×『現外』10℃

ソムリエが感じた『現外』の第一印象は、マデイラワイン。マデイラワインとは、熱を加えて酸化させることで長期熟成に耐えうる、ポルトガル発祥の酒精強化ワインです。フィレ肉に注がれるソースにも『現外』が使われています。

フォアグラやトリュフといった濃厚な食材と、複雑な旨味と酸味を持つ熟成酒という王道の組み合わせ。メインを飾るのにふさわしい、強いインパクトを感じるペアリングでした。

『天彩』のババ/黒糖のアイスクリーム

ペアリングの最後を飾るのは、『天彩』のババ。ババとは、スポンジに洋酒を浸した北イタリア発祥の伝統的なデザートです。その浸すお酒に『天彩』が使われています。さらに、仕上げとして『天彩』を注いで完成。ふわふわとした食感で、口に含むとすぐに溶けてしまうほど。

天彩のババ/黒糖のアイスクリーム

濃密な甘味が特徴的な『天彩』は、熟成したバルサミコ酢のような酸味のニュアンスも兼ね備えています。レーズンが使われた黒糖のアイスとは、まさに出会うべくして出会った相性の良さを発揮します。

5℃で提供された『天彩』は、アイスと合わさることにより、上品な甘さのデザートとして華やかにコースを締めくくりました。

SAKE100のペアリングディナーは世界を見据えた取り組み

SAKE100が一流店とのペアリングディナーを開催する意図について、代表の生駒は次のように話します。

「SAKE100のお酒は、一流の料理と合わせることによって、味わいや香りの多面性が広がり、表情豊かに様変わりする日本酒のポテンシャルを感じていただくことができます。一人でも多くのお客様に、この魅力を感じていただきたいと思い、ペアリングディナーを開催しています。

同時に、SAKE100が世界的に食の第一線で活躍していく上で、国内の一流店とのコラボレーションはSAKE100の大きな糧になります。海外での成長のイメージをより明確に確立するために、今の自分たちにとっても大きな意味のある取り組みです」

SAKE100が"至高の日本酒体験"を提供する

前菜からデザートに至るまで、五感をフルに使ってペアリングを楽しんだ、あっという間の3時間。日本酒の魅力を最大限に引き出しながらフレンチに寄り添うペアリングは、驚きや発見の連続でした。

3時間があっという間に感じられる

SAKE100が提供するのは、至高の日本酒体験。味わいだけに留まらない、日本酒を楽しむ上質な空間を創り上げることで、新たな日本酒の価値を打ち出しています。日本酒のイメージをさらに昇華させるSAKE100というブランドは、日本酒の魅力を世界に届ける上で重要な役割を担っていることは間違いありません。

次回、SAKE100のペアリングディナーは12月5日(木)に開催予定。 広尾の名店「Ode」とコラボレーションし、SAKE100が誇るすべての日本酒を特別なフルコースで提供します。また、ニュースレターに登録すると商品情報やイベント情報が届くので、気になる方はぜひ登録してみてください。

(文/橋村望)

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