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話題沸騰の新銘柄!鈴木さんの、鈴木さんによる、鈴木さんのための日本酒「鈴木」リリース記念パーティーに潜入!

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日本で2番目に多い名字"鈴木"を冠した、鈴木さんの鈴木さんによる鈴木さんのための日本酒「鈴木」が、クラウドファンディング「Makuake」でのプロジェクトを成功させ、数量限定で販売されることになりました。

そのリリースを記念して、7月に「KURAND SAKE MARKET 渋谷店」で開かれたのが「鈴木さんの鈴木さんによる鈴木さんのための日本酒パーティー」

お酒を醸した寒梅酒造(埼玉)の杜氏・鈴木隆広さんといっしょに「鈴木」を味わえるだけでなく、ラベルを手がけた書道家の鈴木猛利さんによる"ライブペインティング"も行なわれました。その様子をレポートします。

あちらにも「鈴木」さん、こちらにも「鈴木」さん

渋谷駅から歩いて5分。「KURAND SAKE MARKET 渋谷店」に到着すると、すでに数名の方が受付中。「鈴木○○です」「鈴木△△です」「鈴木××です」・・・ひたすらに鈴木さんの受付が続きます。

普段は「鈴木です」で済むところを、下の名前まで言わなければならないのがこのパーティー。筆者も「鈴木」姓なので、フルネームを伝えました。

会場内には、杜氏の鈴木隆広さんと書家の鈴木猛利さんの姿が。日本酒「鈴木」もすでにスタンバイされていました。寒梅酒造のお酒を飲みながら乾杯の時を待ちます。

高まる期待を胸に、隆広さんの発声で"鈴木"に乾杯!

口当たりは優しく、甘みが膨らんでいくなかでちょっとした酸味が味を引き締めています。乾杯前にきき酒をした、寒梅酒造の通常ラインアップよりも、奥行きのある味に仕上がっていました。

参加者のみなさんが「鈴木」を十二分に味わった後、猛利さんのライブペインティングがスタート。

名字柄、筆者も今までに何万回と「鈴木」を書いてきましたが、こんなにダイナミックな「鈴木」は見たことがありません。参加者のみなさんも大興奮でした。

「鈴木」らしさを杜氏の鈴木隆広さんに聞きました

─ 寒梅酒造について教えてください。

文政4(1821)年創業の蔵です。埼玉県久喜市、JR久喜駅から徒歩3分の場所にあります。

全国新酒鑑評会では平成27, 28, 29年と3年連続で金賞を受賞しました。仕込みに携わるのは4人。目の行き届いた小さな仕込みを行なっています。

─ 「鈴木」を造るにあたって、どんなことを考えましたか?

寒梅酒造はバランスの良いお酒を目指しています。今回の「鈴木」は、味に奥行きを出すため、生酛造りに初めて挑戦しました。普段とは違った酸を出すことで、味に幅をもたせ、かつ時間が経っても美味しさが崩れにくいものを目標にしています。

─ 完成したお酒を飲んだ感想を教えてください。

目標の8割を達成できたのではないでしょうか。バランスのなかにも芯がある味に仕上がりました。鈴木らしい、自分らしい味が出せたと思っています。

しかし、まだまだ突き詰められる部分もありますね。今回は新しく生酛に挑戦することができたので、通常の造りももう一皮むけるかもしれません。

─ 猛利さんの「鈴木」の書はいかがでしたか。

ふだん何気なく「鈴木」という文字に接していたので、猛利さんに書いていただいたラベルや、今日のライブペインティングの力強さにしびれました。

また酒造りと同じように、書の世界もものすごく奥深そうで興味が湧きますね。同い年の方が違う世界で活躍しているのはすごく刺激になります。しかも、同じ"鈴木"だからなおさら。猛利さんと出会って、いろいろな意味で良かったと思います。

─ 「鈴木」らしさとはなんでしょう。

杜氏として、今年で7シーズン目。杜氏になりたてのころは前杜氏のモノマネで、私自身の個性がなかったと思います。蔵としても確固たる個性がありませんでした。今では、私の性格からかバランスの良い酒造りに落ち着いています。

「うちはここが!」という長所や突き出た部分がないことにコンプレックスをもったこともありました。しかし最近は「鈴木さんらしいお酒だね」と言われることが増え始め、今は"バランスの良いお酒を造る"という方向性に自信をもっています。今回の「鈴木」も、バランスが良くなるように造りました。

日本中にたくさんいる鈴木さんにはそれぞれの好みがあると思いますが、多くの方に愛されてほしいなと思っています。

─ 今後の展開はどのようにお考えですか。

今年の造りが終わったばかりなので、まだ考えていません。ただ、たいへん好評なので来年も造りたいですね!

─ 全国の鈴木さんへ一言お願いします!

バランスの良い自分らしい味わいを磨き続ける、そのお酒に「鈴木」という名前をつけました。未熟ながらもその名に恥じぬよう、みなさんの時間をもっと楽しくできるようなお酒を醸せるように精進していきますので、ぜひ一度「鈴木」を飲んでみてください!

「鈴木」の書はどのようにして生まれたのか

六本木や四谷に書道教室を開き、神楽坂でアトリエ兼稽古場「白日居」を主宰する書家・鈴木猛利さんに、ラベル誕生の経緯をうかがいました。

猛利さんは大学在学中、書道界でもっとも権威のある公募展のひとつとして知られる「毎日書道展」にて、最年少で2年連続の最高賞を受賞した経歴の持ち主です。

─ 「鈴木」の書はどのようにして生まれたのでしょう?

蔵見学をした後、実際に「鈴木」を飲んでイメージを膨らませていきました。最終選考に至るまで、下書きとして書いた枚数は200枚にも及びます。普段は5枚くらいしか書かないのですが(笑)

そのなかから4枚に絞り、最後は隆広さんといっしょに選びました。「これだ!」と選んだ1枚が同じだったのが印象的です。最終的に決まったのはパーティー開催の3日前。KURANDにお願いして、急いでラベルを作っていただきました。「鈴木」という文字を書けたのはとても光栄ですね。

─ 「鈴木」の印象はいかがでしたか?

素直に「美味しい!」と思いました。癖がなく、スッと入ってきますね。"万人が美味しく感じるお酒を"という隆広さんの思いがしっかりと形になったんだな、と。

─ ライブペインティングの最後に「酔書」と署名していたのは、どのような意味ですか。

"酔って書いた"ということです(笑)

今日のようなパーティーで日本酒を飲みながら、みなさんとお話しできるのはとても楽しいですね。こんな仕事があるなんて、"鈴木"で良かったと思いました。

「鈴木」に万歳!

鈴木さんの鈴木さんによる鈴木さんのためのパーティはさすがの鈴木率でした。20名ほどの参加者の中に17名の鈴木さん。同姓だからなのか、お酒のおかげなのか、あっという間に打ち解けて会場がひとつになっていました。

ライブペインティングでは、息をのむパフォーマンスに圧倒され、完成した瞬間には拍手喝采。会場のあちらこちらから、「鈴木で良かった」という声があがったのも印象的です。「ぜひ来年も『鈴木』を造ってください」「そしてまた、鈴木の会をもう一度!」と、リリースパーティは終わりました。

世の中に多くの鈴木さんはいらっしゃいますが、鈴木の一体感を感じるというのは初めての経験でした。「鈴木」というありふれた名字に特別感はありません。しかし、それに特別感を感じることに、参加した鈴木さん全員が感動し、興奮していたのではないでしょうか。

「鈴木」に万歳!

鈴木さんでなくても「鈴木」が飲める!

リカー・イノベーションが運営する、全国各地の日本酒100種類が飲み比べし放題の日本酒専門店「KURAND SAKE MARKET」では、8月7日から全店で「鈴木」の提供が開始されました。

「Makuake」で数量限定販売した日本酒「鈴木」と、提供を開始した日本酒「鈴木」の違いは、火入れ(加熱殺菌)の有無。「KURAND SAKE MARKET」で飲める「鈴木」は火入れされているため、より落ち着いた味わいに仕上がっています。

ぜひこの機会に、お近くの「KURAND SAKE MARKET」で「鈴木」を味わってはいかがでしょうか。

(文/鈴木将之)

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鈴木 将之

普段は某コンサルティング会社で堅い仕事をしていますが、暇さえあれば日本酒会に参加したり酒蔵を訪問しています。大きな蔵から小さな蔵まで、造り手の思いと共に、日本酒の様々な魅力を熱く伝えます。