皆様こんにちは(^.^)
SAKETIMES専属ライターsake_shinです。日本酒学講師、利酒師で、飲食店のプロデュース企画、コンサルティング業務を本業としています。今回は飲食店で感じる「なぜ?」にフォーカスしながら、皆さんの楽しい日本酒ライフを応援していきます。
1.みんなの疑問
新しいお酒に出会ったとき、物凄く口にあっておもわず「おいしい!」って嬉しい瞬間に出会うことも多いはず。しかし、別の店でもう一度飲んでみると「あれ?この前の味と違う?」と思ったことのある人も多いでしょう。
今回はそんな「なぜ?」に答える内容です。
2.どうして味が違うのか
記憶の味と違う理由は様々あります。日本酒に関係ない理由としてはその時の雰囲気や、感情、先入観、お店などにも影響します。
ですので、今回はそのうちの【日本酒の性質】というところにスポットをあてて解明していきます。
キーワードは【時間】【器】【温度】です。
3.「生酒」空けてからの時間で別物に!
まずは時間です。
日本酒を作り出しているのは微生物です。そして、その微生物は蔵元で瓶詰めされるときにも勿論生きており、通常瓶につめられた後も活動を続けています。
要は、まだ途中というような段階。しかし、通常はお酒の味をいい状態で保ち、劣化を防止するために、微生物の働きを止めて、商品化されます。
これを火入れといい、まぁ言えば殺菌処理みたいなものです。しかし、今は流通や保存技術が発達したために、火入れをしない【生酒】が多く出回りこれが最近のブームでもありますね。
しぼりたてのフレッシュな!
てやつです。もうお分かりかと思いますが、もし、あなたが選んだものが「おいしい生酒」だった場合、その生酒はいつ開栓されたのかはわかりません。
これは飲食店で飲む場合に中々知りえない情報なのです。お酒にもよりますが、生酒の場合、空けて2日くらいたった方が適度に角がとれてうまい!と感じることも良くあります。
なので、もし気になる人がいたら、店員さんに「このお酒はいつ開栓されたんですか?」と聞いてみるのもいいでしょう。同じ日本酒でも、「目の前で空けたばかり」と「空けてから1日たったもの」などを飲み比べてみても楽しいと思いますよ☆
4.酒器で感じる香りの違い
日本酒には数々の酒器があります。これは日本酒を楽しむ大きな要素でもありますよね。さて、それではあなたの感動したお酒は覚えていても、酒器まで明確に記憶に残っているでしょうか?
EX:筒型で口の開いたグラスが1回目、しかし2回目は片口とおちょこだった場合
例えばワイングラスは香りを感じやすくする形状です。なので同じお酒でも香りの部分を際立って感じることができます。逆に片口に入ったお酒をおちょこについで…となるとお酒が空気に触れる面が大きくなり、酸化が促され、丸みを帯びた味わいになりやすい。
記憶はインパクトのある要素が残しやすいため、酒器によって引き出される特徴を感じやすく、それがあなたの記憶に残っているでしょう。
感動を再現したいなら酒器も合わせてみてはいかがでしょうか?
5.温度の魔法でうまみが変わる
3つ目は温度です。日本酒は5℃くらいから50℃くらいまでの幅広い温度で飲めることが大きな特徴です。もちろん、2回目に飲むときも冷酒か燗かくらいは覚えているし、そこは合わせることはできますよね。
しかし、問題はここから。例えば同じ冷酒でも3℃~5℃かわると全然味わいの感じ方が変わります。基本的に冷たければ冷たいほど【酸味】は際立ち、【旨味や香り】は抑えられます。
温まればまさにこの逆。
そして、この提供温度のバラツキはお店それぞれです。例えば今は提供後にラベルを見せてくれたり、ボトルごと机に置いていってくれたり客にとっては嬉しいんです。
でもこれによってお店側としては温度を一定に保ちづらいということもあります。
少し冷やした程度でのんで本当は最高においしいんだけどお客様にはラベルも見てほしいしなぁということもありますね。また、開店してすぐの早い時間のお店に行くときは、日本酒を冷やす冷蔵庫がガンガン冷えていることもあるので、通常よりも冷たくなっていることもあり得ます。
飲食店あるあるですが、日本酒専門セラーで徹底して温度管理しているところ以外は、冷蔵温度はかなり低く設定しています。他の飲料には適性でも、日本酒にとっては冷え過ぎになります。
冷たすぎると思ったら少し時間をおいたり、手でグラスを握ってちょっと温度をあげてやることで、自分が一番おいしい!と感じたポイントに出会えますよ☆
5.まとめ
以上、3つを紹介しました。
皆様のちょっとした【なぜ!?】から、お酒について今までよりちょっと知り、よりおいしく楽しめる方法を知っていただければと思っています★
【時間】…生酒は時間に敏感
【器】…個性を引き出す酒器
【温度】…3℃の違いは味をかえる
外食で日本酒がもっとおいしく、楽しめますように☆
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