こんにちは、福井大学生でSAKETIMESライターの小林悠太です。

今回は、酒造り特有の言葉を紹介していきます。日本酒の本や雑誌を読んでいると、ほとんど毎回登場してくる言葉があるのです。

「和釀良酒(わじょうりょうしゅ)」

私は本を読みながら、酒造りでは当たり前のことなのかと思い、あまり意識していませんでした。ですが、この言葉は酒造りそのものを表現していると言っても過言ではないのです!

それでは意味を説明しますね。
和釀良酒の解釈は2つあります。

1.和は良酒を醸す
2.良酒は和を醸す

つまり、双方向から影響し合う言葉なのです。私は、このキーワードを具体的にどのようなことなのか、大きく3つに分けて紹介したいと思います。

 

1.酒蔵内での和釀良酒

sake_g_wajyouryousyu3

まずは、酒造りにおける人の和。

酒造りは肉体労働です。重い米袋の持ち運び、足腰にくる洗米、酒母をタンクまで移動させる作業は、とても疲れます。また、1人の力ではどうにもならないことばかりです。その際には、蔵人が一丸となって行動しなければいけません。なので、酒蔵によっては酒造りの間、蔵人が同じ環境で寝食を共にします。共同生活をすることで、自然と仲が深まってゆくのです。同じ釜の飯を食い、呼吸を合わせて作業をすれば、おいしいお酒を造ることができます。
生き物である日本酒の成長に人間が合わせるとこで、蔵人同士の和が形成されます。そして、その和によって、良酒が醸されるのです。

 

2.酒蔵と周りの人々との和釀良酒

次は和を広げます。

sake_g_wajyouryousyu4

日本酒造りには素材が必要。おいしい日本酒には、おいしいお米が不可欠です。そのためには、酒蔵に協力をしてくれる農家が、春から秋まで米作りを行わなければなりません。たとえ台風や冷夏でも、栽培方法を工夫しながらお米を育てていきます。目標とする味の日本酒を造るために、酒蔵と農家は一致団結するのです。

sake_g_wajyouryousyu2

そして、完成したお酒は販売しなければなりません。徹底した品質管理を酒造が行うには限度があります。最終的に消費者の手に渡るまでは、酒販店にお酒を子供のように預かってもらうことが大切です。

農家・酒蔵・酒販店それぞれが、酒造りのストーリーを共有し合うことで良酒が出来ます。また、その過程でお互いに人間性を理解しながら、和が作られていくのです。

 

3.消費者の和釀良酒

sake_g_wajyouryousyu5

最後は、私達飲む立場の和。
やはり、おいしい日本酒を飲むとその場の雰囲気は良くなりますよね。初めて会う人でも日本酒を介して打ち解けることができます。丁寧に造られたお酒飲みながらだと、普段話すことができないことも語り合えるのではないでしょうか。

以上のように愛情込めて造られた日本酒は、あらゆるところに和を作り上げてくれるのです。日本酒に関わる全ての人に感謝しながら飲むことができたら、素敵ではないでしょうか。

 

【関連】 酒造りは農家と酒蔵の連携が大事。−−秋田の酒米農家と酒蔵にインタビュー
【関連】 酒造りは命がけ!?蔵人が語る酒造りの実態

 

日本酒の魅力を、すべての人へ – SAKETIMES