甘酸っぱさの中に感じられる、気品のある味わいでファンを増やし続けてきた「仙禽」。醸しているのは、栃木県さくら市にある株式会社せんきんです。今年から、そのラインアップに新しいブランド「羽水(うすい)」が加わりました。

本日のお酒は「羽水 生酛」

「純米」「生酛」の2種類がリリースされている「羽水」。今回は「生酛」を選びました。

香りは控えめで落ち着いた味わい。とても清々しく、軽快でスッキリとした味わいです。

一口飲むと、酸味とアルコールの刺激がしっかりと感じられました。中盤に稲を思わせる風味と麹の甘みがあり、最後は苦味や甘み、酸味が同時にやってきてスッと切れていきます。

最初から最後まで味わいの変化は少なく、とにかく軽快という印象のお酒でした。こんなにもすっきりと綺麗で、かつキレが抜群のお酒は、肉や魚などどんな食材にも合いますね。

そこで今回は鶏肉と酒粕を使った料理で、お酒の風味をさらにアップさせて楽しみましょう。塩麹よりももっと簡単に作れる、"塩酒粕"をご紹介します。

鶏肉の塩酒粕漬け

<塩酒粕の材料>

  • 酒粕 300グラム
  • 水 300グラム
  • 塩 100グラム

<塩酒粕の作り方>

1. すべての材料をボウルに入れ、しばらく置いておく。

2. 酒粕がやわらかくなってきたら、ヘラで混ぜ合わせる。

塩酒粕は塩麹と違い寝かせる必要がないので、すぐに使えるのが便利ですね。香りが穏やかでいろいろな食材に合わせやすく、冷蔵庫に入れておけば、1ヶ月程度の長期保存も可能です。

すぐに使いたいときは、板状か練り状のやわらかい酒粕を使って、フードプロセッサーなどで一気に混ぜてしまえば、およそ1分で出来上がります。

では、この塩酒粕を使っておつまみを作っていきましょう。

<材料>2人分

  • 鶏むね肉 1枚
  • 塩酒粕 適量(大さじ3程度)

<作り方>

1. 塩酒粕と鶏むね肉を置き、全体に塩酒粕が付くようにピッタリとラップをして、冷蔵庫に一晩置く。

2. 塩酒粕を軽く拭き取ってから、フライパンに薄く油をしき、弱火で鶏むね肉の両面を焼く。付け合わせの野菜もいっしょに焼きましょう。

3. 鶏むね肉をスライスして、皿に盛り付ける。

漬けて焼くだけの簡単レシピです。鶏むね肉をラップで包むので、塩酒粕が少量で済むのもポイント。

もも肉や豚の肩ロースなど、脂が多い肉でも美味しいのはもちろん、魚との相性も抜群ですよ。酒粕の効果で肉や魚の臭みが抜けるのと同時に、程よい塩加減になります。切り身であれば一晩、アジやイワシ、サンマなどの魚を丸ごと焼くなら丸1日漬けておけば大丈夫でしょう。

お酒といっしょに味わってみると、「羽水 生酛」のアルコール感が酒粕の風味によって緩和され、相乗効果で米の旨味がアップ。軽快さの中に隠れていた生酛らしい力強さを、この塩酒粕漬けとともに食べることで気付かされました。

酒粕はスーパーに並んでいるものでじゅうぶんですが、もし手に入るのであれば、いっしょに飲むお酒の酒粕を使うと相性抜群!

簡単に作れて使い勝手の良い塩酒粕と、せんきんの新ブランド「羽水」をぜひ味わってみてください。

(文/まゆみ)

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