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創業1977年!武蔵小山の老舗居酒屋「酒縁 川島」の魅力

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こんにちは、日本酒指導師範&酒伝道師の空太郎です。

本日は武蔵小山にある銘酒居酒屋「酒縁 川島(しゅえんかわしま)」をご紹介したいと思います。

1977年の開店当初から、無名だけど美酒を醸して頑張っている地酒蔵の発掘と応援に力を入れ、ご主人のおいしい料理とのマリアージュを意識した日本酒の提供で人気を博して、今年で38年目になります。

お客を連れ立って美酒蔵の見学を企画して地酒好きを増やし、15年前からは単独で40軒以上の地酒蔵を集めた日本酒イベントも主催しています。

その原動力は「全国各地の個性的な地酒蔵がずっと存続するように」という熱い思いです。

昭和時代のレトロなムード漂うアットホームな店内

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武蔵小山の駅のロータリーから西へ5,6分行くと、お店が切れて、先は住宅街のみ、と思われる場末(失礼!)に間口の狭いお店が佇んでいます。

ここが酒縁川島のお店です。

横引きの扉を開けて入るとL字型の年季の入ったカウンターが迎え入れてくれます。

頑張っても12人ほど収容の狭い空間ですが、逆にアットホームなムードが漂います。
壁には日本酒のラベルが貼りまくられています。見上げると天井近くにはお店が主催した酒蔵見学の写真が飾られていますが、
いずれも20年以上前で写真は色褪せています。

いわゆる昭和時代のレトロな居酒屋の雰囲気なのですが、お店が揃えている日本酒はいまもっとも人気のある銘酒ばかり。

お店とは離れた場所に冷蔵倉庫があり、そこからお店の冷蔵ケースにその日必要な分だけ運んできて、お客にふるまいます。
料理もご主人の手の込んだものが次々と出てきて、お任せで十分に楽しめます。

開業は1977年。38年続く地酒銘酒居酒屋

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お店は1977年8月にこの地で開業。
外食業界で働いていたご主人の川島孝夫さんが脱サラして、奥様の華真さんとお店を開きました。

なかなかいい物件に出会えずにいたところに、できて半年のビルの1階が1軒だけ残っていて、そこを選びました。

以来、38年間ここで営業しています。
日本酒を売り物にするつもりでしたが、当初は灘や伏見の大手のお酒。

それが全国各地の地酒蔵に目が移ったのは、池袋にあった酒販店の店主との出会いが大きかったそうです。

そして、梅錦や八海山、天狗舞などを次々と取り扱っていき、地酒を多数扱う銘酒居酒屋の評判を確固たるものにしていったのです。

お客様に日本酒を楽しんでいただくための酒蔵見学

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扱いが増えるのと並行するように、川島夫妻の日本酒への愛情も強まり、お客様に声をかけての酒蔵見学に一時、夢中になります。

1985年から数年間が、最も熱を入れた時期です。

当時はまだ搾りたての生酒や無濾過生原酒などはほとんど市販されておらず、市販のお酒と、酒蔵で飲む搾りたての味わいの違いの格差が大きかったころです。

このため、お客様を蔵に案内して、日本酒の素晴らしさをより体感してほしいという願いが背景にあったそうです。

当時では珍しい蔵元を囲む会を先駆けて主催

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次に取り組んだのが蔵元を囲む会です。

これまた、現在ではそこかしこで行われていますが、1990年代半ばでは珍しく、蔵元の多くも効果に疑問を持つ人も多かったようです。

それでも蔵元を囲む会には島根の王禄など、いまでは全国的に超人気蔵になっている酒蔵も武蔵小山に足を運んでくれました

参加蔵元40蔵余り来場者900人超えの日本酒フェスティバルに成長

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蔵元を囲む会を100回ほど実施したのち、
「全国各地の地酒の魅力をより多くの人に知ってもらうには蔵元さんに一堂に会してもらう方が効率的ではないか」
と考えた川島夫妻は大規模な日本酒イベントを開催することを決意します。

タイトルは「日本酒フェスティバル」で、2000年の夏に第1回が開かれました。

以後、毎年続いており(2011年は東日本大震災の関係で別のイベントに変更)、つい先日、今年の会が開かれました。
参加した蔵元さんは40蔵余り。参加はできないものの試飲用のお酒を送ってきた酒蔵は60軒にも上りました。

来場者は900人を超える大盛況でした。
蔵元を囲む会や蔵見学などを通して、全国各地の酒蔵との深いパイプがあるからこそ、実現できるのだと思います。
(会であいさつをする華真さん)

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酒販店100軒余りと取引する酒ソムリエが選ぶ酒

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さて、翻ってお店でのお酒は、酒ソムリエの岩井博さん(写真向かって右)がお客の好みを聞きながら提供してくれます。

1990年代末に川島入りした岩井さんは、長髪がトレードマークでお酒のイベントには必ず出没されます。
おそらく、酒蔵のさまざまな事情に精通した方です。

空太郎は“酒造業界地獄耳”と尊敬を込めて呼んでいます。

そんな岩井さんは美酒を醸している小さな酒蔵発掘にも力を入れ、店とは別の場所にある冷蔵庫に一升瓶のお酒を数百本備蓄しています。

その中から彼が選んだお酒を店の冷蔵庫に移して提供しています。
全国の酒販店100軒余りと取引しているそうです。

お酒の選び方は、お店の料理との食べ合わせよりも、お客の好みを重視しています。

お客様の好みを重要視したチョイス

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岩井さんのお話です。
「最近、気に入っているお酒は?と聞いて、それを参考に1杯目を出します。その人の反応を見ながら、2杯目以降のお酒を決めていきます。好みの範囲が狭い人の場合は、わざと好みのストライクゾーンに微妙に外れているお酒を提供してみます。

それで、おっ、こんなタイプもいいねえ、好きになった、と言ってもらえるとお客さんの好みを広げられたと実感でき、そういう時が1番うれしいですね

川島の料理もどれもおいしく、誰もが満足して家路につきます。

料理はおまかせ、お酒もいろいろ楽しんで6,000~7,000円で納得できます。

お店は再来年に40周年を迎えますが、川島夫妻と岩井さんは、50周年を目指すそうです。
地酒の聖地の1つとして、50年などと言わずに、後継者を育てて、100年でもこのスタイルで続けてほしいものです。

酒縁川島
住所:品川区小山4-10-4
TEL:03-3785-8806
営業時間:18:30~23:30 年中無休

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空太郎

日本酒指導師範(菊正宗認定)&酒伝道師です。 1年365日、日本酒を飲んでいます。 10人未満で丁寧にお酒を醸す銘酒小蔵がたくさん存在することが、 日本酒の多様性と魅力を維持するのには欠かせないと思っています。 そんな酒蔵の活動や、それを応援する酒販店や居酒屋の動きを お伝えしていきます。