SAKETIMES編集部が、いま気になるお酒をテイスティングする連載企画「SAKETIMES編集部 注目の一本」。
今回は、京都府・木下酒造が醸す"ロック推奨"の日本酒「玉川 純米吟醸 Ice Breaker(アイスブレーカー)」をご紹介します。
「玉川」の"夏の風物詩"
1842年(天保13年)に創業し、京都府の北部・久美浜に蔵を構える木下酒造。イギリス人のフィリップ・ハーパーさんが杜氏を務める有名蔵で、生酛や山廃を中心としたラインナップが特徴の代表銘柄「玉川」は、その力強い旨味から多くの根強いファンを抱えています。
そんな木下酒造が、夏季限定の日本酒として発売しているのが「玉川 純米吟醸 Ice Breaker」です。
「玉川」の"夏の風物詩"とも言えるこの日本酒。ペンギンが描かれた見るからに涼しげなラベルデザインと、「アイス」という言葉が入っている商品名からもイメージできる通り、実は、氷を入れたグラスに日本酒を注ぐロックスタイルで飲むことを想定して造られています。木下酒造のラインナップの中でも特に人気が高く、毎年の発売を心待ちにしているファンの方も多いのではないでしょうか。
ロックが前提の日本酒らしく、アルコール度数は約17〜18度の無濾過生原酒。氷の溶け具合によって温度とアルコール度数が変化し、さまざまな味わいが楽しめる一本です。今回は、冷やした状態でそのまま飲むスタイルと、氷を加えたロックスタイルを飲み比べてみました。
氷を入れても崩れない味わいと、夏酒らしい酸味
それでは、実際にテイスティングをしてみましょう。
冷酒
香り
白ぶどうのような、爽やかでジューシーな甘みが第一印象です。数年前に飲んだ時と比べて、甘い香りがより強くなったような気がしました。また、甘みの奥には、生米のような、米由来の淡い香りも感じます。
アルコール度数は約17〜18度と、一般的な日本酒よりも少し高めですが、ツンとしたアルコール感はありません。
味わい
とてもきれいな口当たりで、香りの印象ほどの甘みは感じません。中盤からはふくよかな旨味が感じられ、「玉川」らしい、線が太く飲みごたえのある味わいでした。アルコールのピリッとした刺激もありますが、夏酒らしい酸味が、全体を爽やかな印象に仕上げています。
ロック
香り
氷が溶けて少し薄まったせいか、香りは穏やかになりましたが、甘みははっきりと感じられます。グラスを傾けた時に「カラカラ」と氷同士がぶつかる音がなんとも涼しげで、夏らしさを感じました。
味わい
口当たりのきれいな味わいはそのままに、温度が下がっているため、甘みがシャープに感じられました。夏酒らしい酸味はさらに引き締まった印象に変わり、わずかに感じるアルコールの苦味と相まって、レモンのような柑橘系のニュアンスを感じました。
アルコールによる刺激もほとんどありません。少し氷が溶けたタイミングであれば、ごくごくと喉を鳴らしながら飲めるほど、後口の良い仕上がりになっています。
アウトドアにもぴったりな日本酒!
ほどよい爽やかな酸味と、ロックにしても薄さを感じないボリュームのある旨味が特徴なので、バーベキューやキャンプなど、アウトドアで食べる肉料理との相性がぴったりだと感じました。また、常温で持ち歩いても影響が少ない骨太な酒質も、アウトドアシーンに適しているポイントです。
現在はさまざまな夏酒が店頭に並ぶ時期ですが、「ロックで飲む」というスタイルは、その涼やかな見た目や氷の音も相まって、夏らしい気分をさらに高めてくれることに間違いありません。夏も本番を迎えようとしている今、ぜひ「玉川 純米吟醸 Ice Breaker」を手に取ってみてはいかがでしょうか。
◎商品概要
- 商品名:玉川 純米吟醸 Ice Breaker
- 原材料:米、米こうじ
- 原料米:日本晴(滋賀県)
- アルコール度数:17~17.9%
- 精米歩合:60%
- 希望小売価格:
・500mL:1,265円(税込)
・1.8L:3,410円(税込)
(執筆・編集:SAKETIMES編集部)