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自宅で古酒が造れる? 家庭内熟成酒「押入れ酒」にチャレンジしてみよう!

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みなさんはどんなお酒で新年を迎えましたか?
「元旦しぼり」なる元旦に搾った新酒を出す蔵も増えており、楽しみ方も多様になっていますね。

最近は、新酒にも多いフルーティでフレッシュな日本酒に注目がいきがちですが、
今回の記事は、忘れ去られがちな日本酒に注目してもらおうと思います。

それは「古酒」です。

日本酒も”熟成”できる!

一般的に熟成させるお酒といえば、ワイン、そしてウイスキー・焼酎などの蒸留酒ではないでしょうか。
しかし、ここで知っておきたい知識として、「日本酒には賞味期限がない」ことです。これは、日本酒も普通に「熟成」できることを指します。

以前の記事にあるように、古酒の味は一般的に「骨太のとても味わい深い」ものです。
熟成の進み具合によっても、ひやおろしのような「落ち着いた」味のものから、「まろやか」「深い」「コクのある」といったものまで多様性に富んでいます。
やはり「時間」がお酒を変えていくのです。

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末廣の「流転」

とはいえ熟成酒は、存在を知っていたとしても、通常の日本酒に比べて高価であることがほとんどです。なぜなら熟成酒を造るためには、保存場所の確保や温度管理などが必要となるためです。

外で楽しむ、ということなら品川の「酒茶論」が有名です。
古酒の専門店ですので、様々な古酒が楽しめます。以前行った時には「みりん」の30年ものが置いてありました。いろいろな種類の古酒を楽しむには、このようなお店以上の場所はないでしょう。

では、手軽に古酒を飲むためにはどうすればよいのか。

ずばり、家で造ればいいんです!

自宅でできる!古酒の造り方

「なんだか難しそう」「温度管理とか大変じゃない?」なんて声も聞こえてきそうですが、大丈夫です。

次のことを実行するだけです。

1.  好きな日本酒を買ってくる
2.  押入れの奥に優しく置く
3.  待つ

以上です。

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実際、我が家の押入れには何本かお酒が入っています。中にはいつ入れたのかすら忘れているものもあります。
一番のネックは3の「待つ」ことですね。投資と思って我慢してください。待っている時間を楽しみましょう。

自家製熟成酒のコツは?

ここで、自家製熟成酒の作り方のコツを伝授します。

ただし、あくまで私見なので自己責任でチャレンジください。
まず選ぶお酒ですが、はじめのうちは安定して熟成しやすい「雄町米」で造られた「生ではない純米酒」がおすすめです。自分の経験でいうと、熟成させたときにしっかりと味が乗りやすい米なのです。

また、常温で飲んでみて「トゲがある」「硬い」と感じるものも熟成しがいがあります。トゲや硬さがわかりづらければ、「なんかしっかりした味わい」と感じるものでOKです。
押入れは、家の中で最も気温・湿度の変化が少ない場所です。一軒家であれば、台所の地下収納も最適です。
あとは、静かに時が過ぎるのを待つだけです。

場所や予算に余裕があれば、上記以外のお酒でも可能ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
(生酒の場合、冷蔵庫で保存するか常温でも2〜3ヶ月程度が目安です)

以前、10年ほど寝かせた「にごり酒」を飲んだのですが、驚くほど美味かった記憶があります。

味の変化を楽しむのが古酒の魅力

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味の変化の度合いは、お酒の種類や管理状態によっても違うので、”何年待てば美味しくなるか”は、正直わかりません。あくまで、「味の変化」を楽しむつもりでチャレンジしてください。

なお、一度開封してしまうと劣化することがあるので、飲んだ後また押入れに戻すことはおすすめできません。
そのため、一発勝負ではありますがむしろその出会いを楽しんでください。
ただし、寝かし過ぎると「もっと置いた方が良いのでは?」と思いはじめて一向に開封できなくなるので、自分なりに「何年寝かせる」とあらかじめ決めた方がいいかもしれません。

日本酒は、それだけでも無数に種類が存在します。しかも、様々な温度帯・熟成期間・料理との相性など、無限に楽しめるお酒です。時には、少し冒険して違った美味しさを見つけてみるのも良いのではないでしょうか。

 

(馬渡順一)

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馬渡 順一

山田錦のふるさと兵庫県出身。現在は東京の多摩エリアを中心に呑んだくれ活動中。FBO公認日本酒学講師、きき酒師、焼酎きき酒師。大学で教鞭を取るかたわら、日本酒応援活動を細々と行っています。自宅呑み大好きです!「No SAKE, No LIFE」を合い言葉に、これからも呑んだくれます!