日本酒のことを知ろうとする時、必ずと言っていいほど引っかかるのが「精米歩合」。今回は日本酒を語るのに欠かせない「精米歩合」について解説します!

精米歩合とは?

一言で説明すると、"米を磨いて、残った部分の割合"のことを指します。

清酒業界では一般的に米を削ることを"米を磨く"と表現します。つまり、精米歩合30%のお酒というのは、お米の外側70%を磨いて、中心部分30%のみを使った贅沢なお酒ということです。

皆さんは酒米(さかまい)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これはお酒造りに使用するお米を指します。規定の他の品種(一般米)でも酒造りに適した品種もあり、酒造りに使われているお米もあります。また食用の飯米を使ったお酒などを新たな取り組みとして行なっている酒蔵さんもあります。それぞれのお米を、どれくらいの精米歩合で酒造りを行うかは各蔵でさまざま。写真に写っているのは、この一般米「亀の尾」。夏子の酒という漫画で扱われたことでも有名で、酒造に適したお米ということで現在色々な酒蔵で酒造りに使用されています。この米の真ん中に見える白い部分、これは「心白」と呼ばれています。

国税庁の定義

国税庁の告示第8号「清酒の製法品質表示基準を定める件」では精米歩合は下記のように定義されています。

"精米歩合とは、精米後の白米の、元の玄米に対する重量の割合をいうものとする。"

ちょっとわかりづらい表現ですが、元々あった玄米の重さを100として、精米した白米は最初の玄米の何%の重さか?ということですね。

「精米歩合とはお米をどれくらい磨いたか」という点は覚えやすいですが、その程度は、もともとあった玄米の「大きさ」ではなく「重量」ではかるものなんですね。それぞれの精米歩合のお米を並べると、そのパーセンテージの割に、大きさは大きいように見えます。精米歩合は「重量」ではかる、ということは、お米は外側ほど重く、内側ほど軽い、のかもしれません。

日本酒における精米歩合

普段食べている食用米の精米歩合は、平均90~92%と言われています。つまり、元の玄米からおよそ10%を磨いているということです。しかし日本酒は、吟醸酒は精米歩合60%以下、大吟醸酒は50%以下であると定義されている通り、半分近くまでお米を磨くことは珍しくありません。

2017年7月、精米歩合7%の純米大吟醸酒「七星旗」を発売したことで、大きな注目を浴びた楯の川酒造ですが、ついに同年10月、精米歩合1%のお酒が同じ楯の川酒造から誕生しました。総米600キロ仕込みの精米歩合1%精米のお酒を造るには50倍の60トンもの玄米が必要、玄米を精米歩合1%まで磨くには、蔵にある2台の精米機を2か月半もフル稼働させなければならないそう。そんな大変な想いをして造った、精米歩合1%の日本酒は、どのような味わいなのでしょうか?SAKETIMESの記事「8%、7%、そして1%精米へ──山形・楯の川酒造「光明」が切り開く新しい日本酒市場とは」で特集していますので、ぜひこちらも読んでみてください。

では、なぜそんなにお米を磨くのでしょうか。
お米の外側には、脂質やタンパク質といった栄養素が豊富にあり、それらは日本酒の雑味に繋がると言われています。この雑味は一概に悪いものとはいえず、"精米歩合が低い=美味しい"とはならないのですが、一般的にキレイなお酒になるとされています。

近年は、精米技術も向上し、精米歩合一桁%の日本酒も造られています。逆に、お米の個性をより生かそうと精米歩合80%以上の日本酒を造っている酒蔵もあります。造っている酒蔵や使われるお米だけでなく、ちょっと踏み込んで精米歩合を意識して、お酒の違いを感じるのも楽しいかもしれないですね。

(文/SAKETIMES編集部)