飲食店や酒販店で見たり聞いたりする日本酒の用語を知ることで、さらに日本酒を楽しむことができるようになります。

今回は、酒造りに適した米に必要とされる「心白(しんぱく)」について解説します。

「心白」が白く見えるのは隙間があるから

酒造りに適したお米の特徴に、「粒が大きいこと」や「たんぱく質や脂質の含有量が低いこと」が挙げられますが、「心白発現率が高いこと」も大事なポイントです。

心白とは、米の中心の白濁している部分のこと。心白の内部は隙間が多く光が乱反射するために白く見えます。心白にはさまざまな形状があり、米を横にして割った横断面で観察すると、点状型、線状型、眼状型などの種類に分かれます。ちなみに、私たちが普段いただく食用米には心白はほとんど現れません。

隙間が多いということは、米の内部まで麹菌が根を伸ばしやすいということ。そのため、より強い糖化力のある米麹ができあがります。

心白の成分にはでんぷんが多く、雑味のもととなるたんぱく質や脂質の含有量が少ないので、米を磨いて心白だけを削り出して日本酒を造ると雑味の少ないすっきりとした味わいになります。吟醸酒や大吟醸酒で米を多く削るのはこのためですね。

精米中に米が砕けてしまうと、削ったはずの外側の部分が混入したり、粒が不揃いになるため、後工程に影響がでてしまいます。隙間の多い心白だけを残して精米するには、高い技術を必要とします。

精米歩合の高い大吟醸酒などを見かけたら、心白を壊さぬよう、ていねいに精米を行ってくれた造り手のことを思い浮かべながら、ぜひ味わってみてください。

飲食店や酒販店で見たり聞いたりする日本酒の用語を知ることで、さらに日本酒を楽しむことができるようになります。

(文/SAKETIMES編集部)

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