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世界一おいしい市販酒が決定!「SAKE COMPETITION 2016」 各部門1位に輝いた蔵元の“喜びの声”をご紹介

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出品できるのは"一般の人でも購入できるお酒”に限り、かつ銘柄名を完全に隠して"酒の中身”だけを競う日本酒コンペティション「SAKE COMPETITION」。そんな世界一おいしい市販酒を決める「SAKE COMPETITION 2016」の結果が、東京・六本木の「グランド ハイアット 東京」にて発表されました。

「純米酒部門」「純米吟醸部門」「純米大吟醸部門」「吟醸部門」「Super Premium部門」の全5部門で、それぞれトップに輝いた蔵元の受賞直後の喜びの声をご紹介します。

【純米酒部門】「あたごのまつ 特別純米」(新澤醸造店/宮城県大崎市)

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(新澤醸造店 代表者コメント)

このコンペに出品されるお酒のレベルはとても高いので、評価も紙一重の差だった思っています。2年前は残念ながら2位だったので、今回はトップになれて本当に嬉しく思います。さらに純米酒部門で「あたごのまつ」と、もうひとつのうちの主力製品である「伯楽星」もベスト10に入ることができました。

私の蔵は東日本大震災で蔵が全壊し、廃業の危機に直面しましたが、多くの人たちの助けによって酒造りを続けられています。酒を造ることへの感謝の気持ちを忘れずに、一生懸命造ったことを褒めていただいた気分です。

また、昨年から宮城県の酒蔵7軒で「DATE SEVEN」という酒蔵ユニットを結成し、お酒を一緒に造る機会を設けています。これはそれぞれが持つ醸造技術を見せ合うことで、切磋琢磨しながら、酒質を上げていこうという取り組みなのですが、今年度はその中からいくつかの蔵が上位に食い込んでおり、成果が出ていることを実感しています。

今後の酒造りについてですが、日本酒の酒質はどんどん上がってきており、コンペの結果を分析してから、次の造りに臨むのでは遅すぎます。ましてや、「1位を取ったのだから来季も同じ造りでいいや」では、他の酒蔵さんに後れを取ります。自分が信じる道をもっともっと先に進んで、飲み手の方々に「同じ酒なのに去年より美味い」と言われるように精進したいと思います。

【吟醸部門】「但馬 大吟醸」(此の友酒造/兵庫県朝来市)

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(此の友酒造 代表者コメント)

当蔵の酒造りは、43歳の杜氏(勝原誠さん)に任せています。彼は全国新酒鑑評会で3年連続して金賞を取るなど、今、まさに波に乗っているところなので、ちょっとばかり期待はしていたものの、やはり1位になれたのは望外の喜びです。

うちの造りは商品名にあるように但馬流で、醪を低温で長期間かけて醸すやり方で、味わいが丸くなるのが特徴です。その良さがわかってもらえたのかな、と思います。

最近は「純米酒は良くて、醸造アルコール添加はだめ」という人もいますが、日本酒をより飲みやすくするには醸造アルコールをうまく使うことも大切だと思っています。少量の醸造アルコール添加は、香りもたちやすくなりますし、日本酒をより美味しくさせる手法です。そんな吟醸酒部門で1位になれて光栄です。

【純米吟醸部門】「勝山 純米吟醸 献」(仙台伊澤家勝山酒造/宮城県仙台市)

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(仙台伊澤家勝山酒造 代表者コメント)

うちの蔵は全国新酒鑑評会にはお酒を出品していません。ひと冬に造るたった1本(仕込み)のお酒で評価してもらうのではなく、多くの人たちに飲んでもらっている市販酒で評価してほしいと思ってきましたので、このコンペを重視しています。そして、昨年と今年と2年連続して、純米吟醸酒部門で1位になれたことをとても嬉しく思います。

受賞した「献」は、大吟醸酒の良さを維持しながら、純度の高いきれいな旨味を出すことを目指して造っています。和食に合わせると、料理を引き立たせるとともに、酒自身もより光り輝くような食中酒を狙っているのです。純米酒とも純米大吟醸酒とも違う、純米吟醸酒の世界で評価されたことを、蔵人とともに喜びたいです。

【純米大吟醸部門】「愛友 純米大吟醸」(愛友酒造/茨城県潮来市)

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(愛友酒造 代表者コメント)

今回、受賞したお酒に使っているお米は岡山産の雄町です。実は、雄町を純米大吟醸酒に使い始めてまだ2年目なのです。2年前、雄町を使いたいと杜氏に伝えると「雄町は山田錦よりも扱いが難しいと聞いている」と難色を示されました。でも、私が学生時代に初めて出会った雄町の感動が忘れられず、無理を言って造ってもらったという経緯があります。

1年目はお米も少ししか入らなかったので少量の造りになりましたが、結果として評判は良く、夏までに全部売り切ってしまいました。このため、2年目の今回は量を増やしました。昨年と同様の出来栄えでしたので、初めてこのコンペに出品した次第です。

うちのような酒蔵が出品するのはおこがましいかなと迷ったほどですので、上位入賞酒に入ったことで満足していました。まさか、1位になるとは夢にも思わず、蔵は大騒ぎになっていると思います。

【Super Premium部門】「来福 超精米 純米大吟醸」(来福酒造/茨城県筑西市)

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(来福酒造 代表者コメント)

このお酒は地元産の「ひたち錦」というお米を8%まで精米して造った純米大吟醸酒です。ひたち錦はとても硬いのが特徴で、お酒にすると味乗りが悪いと言われています。そのため、多くの酒蔵さんが敬遠していました。でも、誰もやらないことをやるのが好きな私は、「そんなに硬い米なら限界まで磨いてみようじゃないか」とチャレンジを始めたのです。

1年目は25%精米で、以後、19%、15%と進み、ついに8%にたどりつきました。8%に落ち着いたのは八が末広がりで縁起がいいからです。

ただ、米の92%を削ってしまうことに、批判する方もいます。それに、40%精米の純米大吟醸に比べて、はるかに美味いのかというと、そうではないかもしれませんが、雑味が一切ない高貴で上品な味わいであることは確かです。まずは飲んでみてほしいです。海外から大事なお客様がいらした時のような大切なシーンで「これがプレミアムな日本酒の最高峰です」といって使っていただけたらと思います。

また、5部門のベスト3に入った15の銘柄のうち、茨城県のお酒が3つ入りました。茨城は日本酒の知名度が今ひとつでしたが、これを機会に、多くの方々が茨城のお酒に関心を持っていただけたらと思います。

銘柄を覚えるキッカケに ―― 「SAKE COMPETITION」の意義

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「SAKE COMPETITION」は今年で5回目になり、知名度も高まり、出品点数も1462点まで増えました。

ゲストプレゼンターであった中田英寿さんも話していましたが、日本酒に関心を持つ人のすそ野は広がっています。しかし、銘柄を選んで飲む人はまだまだ多くないことも事実です。

こうしたイベントの注目度が高まることで、銘柄を意識しながら、“伝統工芸品”である日本酒を楽しむ人が増えるといいですね。

(取材・文/空太郎)

【各部門の受賞蔵一覧はこちら

 

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空太郎

日本酒指導師範(菊正宗認定)&酒伝道師です。 1年365日、日本酒を飲んでいます。 10人未満で丁寧にお酒を醸す銘酒小蔵がたくさん存在することが、 日本酒の多様性と魅力を維持するのには欠かせないと思っています。 そんな酒蔵の活動や、それを応援する酒販店や居酒屋の動きを お伝えしていきます。