宮城県の7蔵で結成した酒蔵ユニット「DATE SEVEN(ダテ セブン)」の3季目の造りが始まりました。

毎年、造りの工程を分担して1本のお酒を仕込んでいて、出来上がったお酒はユニットの名前にちなんで7月7日に発表・リリースしています。1年目は純米大吟醸、2年目はスパークリングを発売しましたが、いずれも大きな注目を集め、売れ行きも順調だったようです。

そんな「DATE SEVEN」の3季目の分担は、以下のように決まりました。

  • リーダー(醸す場所と仕込みの全体管理):
    萩野酒造(佐藤曜平さん / 手前中央)
  • 精米担当:
    新澤醸造店(新澤巌夫さん / 手前左)
  • 酒母担当:
    墨廼江酒造(澤口康紀さん / 奥右端)
  • 原料処理担当:
    山和酒造店(伊藤大祐さん / 奥右から2人目)
  • 麹担当:
    川敬商店(川名由倫さん / 奥左から2人目)
  • 醪担当:
    仙台伊澤家勝山酒造(伊澤平蔵さん / 奥左端)
  • 搾り担当:
    寒梅酒造(岩崎健弥さん / 手前右)

今回のお酒は美山錦を使った精米歩合33%の純米大吟醸ですが、最大の特徴は酒母に速醸ではなく生酛(きもと)を採用したことです。

乳酸を直接添加し、短時間で酒母を造る速醸系酒母に対して、明治中期以前の日本酒造りでは、空気中に存在する乳酸菌を呼び込んで乳酸をつくらせる生酛系酒母しか方法がありませんでした。

所要日数は速醸系酒母と比べ、約2倍ほどの時間がかかるうえに、乳酸菌を呼び込むために、蒸した米と米麹を人力ですりつぶす作業が必要になります。この作業を酛(もと)摺り、あるいは山卸(やまおろし)と言います。これが重労働だったので、明治末期に速醸系酒母と、山卸作業を省略した山廃酒母が開発されたわけです。

しかし、この生酛という方法でお酒を造ると、酵母や乳酸菌だけでなくさまざまな微生物が出入りするため、速醸系で仕込んだものより多くの物質が複雑に関与し合い、独特の味わいのお酒が出来上がります。

このため、今でも生酛造り一筋の有力酒蔵はありますし、最近台頭してきている30~40代の意欲ある蔵元も次々と生酛造りに挑んでいます。

そういうわけで、DATE SEVENの面々も生酛造りに挑戦することになりました。酒母担当は墨廼江酒造ですが、最初の作業である酛摺りだけは全員でやろうということで、リーダー蔵の萩野酒造に集まって酛摺りをしました。

桶に蒸した米と米麹を入れ、長い棒の先に四角い板がついた櫂(かい)という道具ですりつぶしていきます。ひとつの桶に2人がかりで10分ほどの作業ですが、これが意外に力のいる仕事で、たいへんなのです。これを今回は2回繰り返しました。

ほぼ全員が初めて四苦八苦しながらも、少しずつコツをつかんでいき、最後は笑顔で作業を終えることができたようです。

生酛系酒母が出来上がるのは3月半ば。それから仕込みを始めて、4月中旬に搾ることになります。お披露目は例年通り、7月7日。

生酛酒母のお酒は酸味が特徴になることが多いですが、果たしてDATE SEVENが織りなす酸はどんなものになるのか、いまから待ち遠しくてたまりません。

(文/空太郎)

関連記事