ワインセラーメーカーのさくら製作所が開発・販売している「氷温M2」シリーズは、その名のとおり、0℃以下の温度(=氷温)で保管できることが特徴の日本酒&ワインセラー。設定可能な温度が「-2〜22℃」と従来のセラーに比べて幅広く、一般家庭から飲食店まで、あらゆるシーンで活躍することができます。
このセラーをいち早く導入した酒蔵が、神奈川県の泉橋酒造です。いったいどのようなシーンで使用し、どのような魅力を感じているのでしょうか。泉橋酒造の6代目蔵元・橋場友一さんに話を伺いました。
氷温貯蔵が可能になった上位機種
さくら製作所は、2020年に日本酒セラー「ZERO CHILLED」を発売しました。業務用と家庭用の"いいとこ取り"のセラーで、業務用基準で開発された高い冷却力だけでなく、家庭での使用を考えたデザイン性、静音性、省エネ性も兼ね備えているため、日本酒ファンから高評価を得ています。
今回の「氷温M2」は、その上位機種にあたるセラーです。「ZERO CHILLED」は設定温度が「0〜22℃」でしたが、「氷温M2」は「-2〜22℃(※)」まで下げることができます。また、上下の棚で異なる温度を設定できる「2温度管理」も可能。上級者のニーズに応えるために大容量化も叶え、棚を入れ替えれば日本酒とワインを同時に保管することもできます。
さらに、温度をより安定させるための特許技術や、断熱性能と透明度に優れた真空断熱ガラスを導入するなど、あらゆる面がブラッシュアップされたワンランク上のセラーとなりました。
(※)上段は「-2℃〜22℃」、下段は「0℃〜22℃」に設定可能。
"会話のきっかけ"になるセラー
神奈川県海老名市に蔵を構える泉橋酒造は、「酒造りは米作りから」という信念のもと、酒米の栽培から醸造までを一貫して手がける酒蔵です。減農薬栽培などに注力していることから、自然に寄り添った農業を象徴する存在として、「とんぼ」を蔵のシンボルマークに掲げています。
酒造りにおいては純米酒のみを醸造し、生産量の約50%が生酛造り。また、ゆっくりと時間をかけて醪を搾る伝統的な製法「槽搾り(ふなしぼり)」で全量を搾るなど、手間を惜しまない酒造りにこだわっています。
「氷温M2」が置かれているのは、社内外の人が集まる試飲ルーム。自社のお酒をメインに保管し、社員がテイスティングをすることもあれば、酒屋や飲食店などの取引先の方々を招いて試飲会を行ったり、蔵見学に訪れた一般の方が試飲をすることもあるのだそう。
その導入のきっかけについて、橋場さんは次のように話します。
「ひとつは、より厳密な温度管理をしたいと思ったからです。テイスティングや試飲の際には、なるべくそのお酒に適した温度で行うのがベストですが、一般的な冷蔵庫では、冷えていたとしても正確な温度はわかりません。その点、『氷温M2』は設定した温度とお酒の温度のブレが限りなく抑えられるので、安心して保管することができます」
もうひとつの理由は、ある時、ふと浮かんだ疑問からだったそうです。
「ワインは専用のセラーに入れて、かっこ良く見せる文化がありますよね。それなのに、どうして日本酒はそういう見せ方をしないんだろうと思ったんです。ただ保管するための冷蔵庫ではなく、日本酒の存在がより引き立つような、スタイリッシュなセラーがほしいと考えるようになりました」
そんな時に出会ったのが、温度管理とデザイン性に優れた「氷温M2」でした。橋場さんは、「誰が訪れてもセラーが話題に挙がるんですよ」と微笑みながら話を続けます。
「『氷温M2』があると、それだけで雰囲気が出るので、本当に気に入っています。よく、『どこのセラーですか?』『かっこ良いですね!』と言われますよ。そこから試飲をおすすめしたり、保管温度の話になったり......セラーをきっかけに、話が広がることも多いんです」
空気ではなく、液体を冷やす
取材当日の温度設定は、上段が-2℃、下段が10℃でしたが、いつもは上段を3℃、下段を10℃に設定していることが多いのだそう。
「『氷温M2』を使い始めて、3℃のお酒がこんなにも冷たいことに驚きました。やはり、設定温度とお酒の温度のブレが少ないからなのでしょう。試飲用のお酒を保管する用途としては、3℃でも十分な冷たさです」
実は、ワインセラーのような温度管理機器は一般的に庫内の「空気」を冷やす構造のため、温度設定が可能なものでも、庫内にある「液体」の温度とは若干のばらつきが出てしまうことがあるのだそう。
一方、「氷温M2」は、設定温度と液体の温度が一致するように設計された、独自の冷却機構を搭載しています。3℃でも想像以上に冷たく感じるというのは、その高い冷却性能に要因がありそうです。
「設定温度と液体の温度がイコールになるというのは、試飲の時にとても便利なんですよ。一般的な冷蔵庫ではどうしても温度をコントロールしにくく、仮に想定よりも冷えすぎていた場合、お酒の種類によっては味がわかりづらくなってしまいますから。
以前は、グラスに注いでから温度が上がるまで待つこともありましたが、『氷温M2』では事前に温度を設定しておけばいいので、その手間がなくなりました」
また、「氷温M2」を使用する中で、橋場さんはお酒を"見せる"という感覚に気づいたのだそう。
「お酒を提供する際、おすすめの温度やペアリングの話はしてきましたが、お酒の見せ方についてはあまり意識できていなかったように思います。自社のお酒が、スタイリッシュなセラーに美しく並ぶ。先に話したように、それが会話のきっかけになることもあるので、お酒が引き立つようにディスプレイすることの重要性に気づかされました」
「日本酒と接する時間が、より豊かになった」
「氷温M2」について、「本当に気に入った」と微笑む橋場さん。実は蔵だけでなく、自宅にも導入する予定なのだそう。お酒を"見せる"という感覚に気づいたおかげで、日本酒に対する向き合い方にも変化があったと話します。
「見えるところに自分の好きなお酒が並んでいる、それ自体が楽しいんです。例えば、友人が好きな銘柄を買っておいて、『あの人が来たらこれを飲もう』と考えたり、お客さんとラベルを眺めながら『どれを飲む?』と相談したり......。日本酒と接する時間が、より豊かになりました」
もうひとつ印象的だったのは、「急いで飲まなくていい」という言葉でした。
「普段使いの冷蔵庫で日本酒を保管すると、開け閉めの回数が多くなってしまうこともあり、どうしても保管温度にムラができてしまいます。日本酒の種類によっては『早く飲まなきゃ』と、少し急かされるような気持ちになることも(笑)。
『氷温M2』だと、その心配が少ないので安心ですね。あまり味わいを変えたくないものは氷温で保管して熟成を抑え、反対に熟成させたいお酒は少し高めの温度に設定にするなど、1台で使い分けができるところも気に入っています」
蔵にはそれぞれ設定温度の異なる7つの冷蔵庫があり、速醸酛や生酛といった製法の違い、熟成中や出荷直前などの段階によって保管温度を変えているのだそう。橋場さんは、家庭での日本酒の適切な保管方法について、次のように話します。
「前提として、一般的な冷蔵庫での保管が悪いわけではありません。ただ、温度ムラのほかにも、栓を開けた日本酒に食べ物の香りが移ってしまう可能性もあります。ワンランク上の保管環境を求めるのであれば、やはり理想はセラーですね。気を使わずに日本酒を保管したい方は、導入を考えてみてもよいのではないでしょうか」
さらに上質な日本酒体験を
最後に、これから「氷温M2」を使っていく中で、試してみたいことを伺いました。
「保管温度が高いと熟成が早まる、低いと熟成がゆっくりと進む......このような保管温度がもたらす味わいの変化について、もっと追求してみたくなりました。
例えば、うちの『黒とんぼ』シリーズは約2年間の氷温熟成を経て出荷していますが、より良い温度や熟成期間があるかもしれません。『氷温M2』は氷温貯蔵をはじめ、シビアな温度管理ができるので、小ロットで色々と試してみたいですね。きっと、面白い結果が出てくると思います」
これまで以上に優れた性能とデザイン性を併せ持ち、蔵元からも高い評価を受けた「氷温M2」。日本酒のコレクションを眺めながら、飲食店並みの管理が行き届いた一杯を楽しみたい方には、ぴったりな選択肢といえるでしょう。
自宅での日本酒体験をさらに上質なものに彩る一台として、ぜひ「氷温M2」を迎えてみてはいかがでしょうか。
(取材・文:藪内久美子/編集:SAKETIMES)
◎商品概要
- 商品名:「氷温M2」(LX63DM2Z)
- カラー:ブラック/ホワイト
- 価格: 189,000円(税込)
- 収納本数:
・ワインのみ:63本
・一升瓶のみ:27本相当 - 温度管理の種類:2温度
- 設定温度:
・上段:-2〜22℃
・下段:0〜22℃
- 商品名:「氷温M2」(LX95DM2Z)
- カラー:ブラック/ホワイト
- 価格: 289,000円(税込)
- 収納本数:
・ワインのみ:95本
・一升瓶のみ:36本相当 - 温度管理の種類:2温度
- 設定温度:
・上段:-2〜22℃
・下段:0〜22℃
sponsored by さくら製作所株式会社