国税庁の統計によれば、2000年(平成12年)に2,152場もあった清酒製造免許をもつ日本酒蔵は、2022年(令和4年)には1,536場まで減少。人口減少や高齢化による国内市場の縮小に加え、設備の老朽化、後継者不足などの理由により、酒蔵が廃業・休業するケースが年々増えています。
そんななか、経営体制の変更や事業の譲渡などによって廃業を回避し、復活を遂げる酒蔵の話題も見かけるようになりました。なかでも注目されるのが「事業承継」という方法です。
存続か?廃業か?酒蔵の後継者問題を「M&A」で乗り越える─事業承継の専門家に聞く「酒蔵M&A」のリアル
売り手も買い手も幸せになる、酒蔵経営のバトンタッチ─福和蔵の事例にみる「酒蔵M&A」のメリット
事業承継とは、経営者が自身の会社や事業を後継者に引き継ぐことを指します。
日本酒業界では、蔵元の親族が承継する「親族内承継」や、親族ではない役員や従業員が承継する「役員・従業員承継」が一般的でしたが、いわゆる「M&A(合併と買収)」をはじめとした手法でオーナー会社の変更や休眠蔵の引き継ぎを行い、事業を社外の第三者へ承継する「第三者承継」の事例が増えています。
その一方で、酒蔵のM&Aに対しては、「売り手となる酒蔵にとって不利な条件の承継になるのでは?」「第三者が経営に関わることで伝統や歴史が守れなくなるのでは?」といったネガティブなイメージがあることも事実です。
そこでSAKETIMES編集部では、事業承継の専門家にお話を伺い、実際にM&Aによって誕生した日本酒ブランドを例に、買い手と売り手のそれぞれの目線から酒蔵M&Aのメリットや意義を取材しました。
受賞されたみなさま、おめでとうございます!
令和6酒造年度(2024酒造年度)全国新酒鑑評会の審査結果が発表されました!
2025年5月21日(水)に、「令和6酒造年度 全国新酒鑑評会」の審査結果が発表されました。
「全国新酒鑑評会」は、1911年に始まった日本国内でもっとも歴史の長いコンテスト。酒類に関する研究を行っている独立行政法人 酒類総合研究所が運営しています。
出品酒の規格は吟醸酒(原酒)とされ、製造や管理の技術が香りや味わいにどのように反映されているかを審査します。そのため、吟醸酒の中でも技術が反映されやすい大吟醸酒や純米大吟醸酒などが多く出品されています。
「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2025」SAKE部門のメダル受賞酒が発表されました!
【速報】「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2025」SAKE部門のトロフィー受賞酒が発表されました!
「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2025」の「SAKE部門」におけるメダル受賞酒が2025年5月20日(火)に、また、トロフィー受賞酒が2025年5月27日(火)に発表されました。
世界最大級のワインコンテスト「IWC」は毎年ロンドンで開催され、“世界でもっとも大きな影響力を持つワインコンテスト”ともいわれています。IWCに「SAKE部門」が誕生したのは2007年。以来、SAKE部門の受賞酒は国内外で注目され、IWCは日本酒の海外進出における重要なコンテストとして、その価値を高めてきました。
2025年のSAKE部門には1,476点が出品され、153点がゴールドメダルに、32点がトロフィーに輝きました。
「SAKETIMES NEWS」からピックアップ!
SAKETIMES編集部に届く最新の日本酒情報のなかから、特に注目されたニュースを紹介します。
日本酒と本格焼酎・泡盛の酒蔵が集まるビッグイベント!「國酒フェア2025」が、6/14(土)・15(日)に大阪・ATCホールで開催
全国約1,600の酒類(日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりん)メーカーが所属する日本酒造組合中央会は、ユネスコ無形文化遺産に登録された「伝統的酒造り」から生まれる「國酒」である日本酒と本格焼酎・泡盛などの酒蔵が集まる「國酒フェア2025」を、大阪・ATCホール(アジア太平洋トレードセンター)にて、2025年6月14日(土)・15日(日)に開催します。
2024年12月に「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受けて開催される「國酒フェア2025」は、これまで「日本酒フェア」と「本格焼酎・泡盛フェア」として、東京と福岡で開催していた2つのイベントを合体させたイベントです。
「日本酒フェア」では、全国から日本酒が集まり、まるで各地を旅行しているような気分で試飲を楽しむことができます。「日本酒セミナー」では、各地の酒蔵や酒造組合、有識者の方々が講師として登壇し、ここだけの貴重な話を聞くことが可能です。
そのほか、「伝統的酒造りエリア」として國酒に関する文化や伝統技術などについて学べるエリアも併設し、日本の「伝統的酒造り」から生まれる國酒の魅力に触れることができます。
新潟県・菊水酒造が、「発酵」をテーマにしたエンターテインメント施設「KIKUSUI蔵GARDEN」を、4/29(火・祝)に敷地内にオープン
「発酵」をテーマにしたエンターテインメント施設「KIKUSUI蔵GARDEN」が、新潟県新発田市にある菊水酒造株式会社の敷地内に、2025年4月29日(火・祝)にグランドオープンしました。
「KIKUSUI蔵GARDEN」は、菊水酒造が酒造りを行う中で長年培ってきた「発酵」をさまざまな側面から体験し、その面白さを五感で感じ取ってもらう施設です。コンセプトは「Discovery」。「日本酒好きの方はもちろん、日本酒に接する機会のない方にも、そのおいしさや発酵の奥深さを発見していただくことで、日々の暮らしを少しでも面白く、豊かなものにしてもらいたい」という思いから生まれました。
施設内は、発酵について理解を深めることのできる実験スペース「ラボ」や、日本酒や発酵食品、地元・北越後の農産物などを幅広く取り揃える「ショップ」、麹や酒粕を使用したブランチやスイーツなどが楽しめる「カフェ」によって構成され、大人も子どもも発酵体験を楽しめる場所となっています。
日本酒の開栓が驚くほど簡単に!日本酒専用オープナー「Sake Bottle Opener」が、6/18(水)まで応援購入サービス「Makuake」にて先行発売中
株式会社諏訪田製作所(新潟県三条市)は、日本酒瓶の開栓のために設計された、美しいデザインのボトルオープナー「Sake Bottle Opener」の先行販売を、2025年6月18日(水)まで応援購入サービス「Makuake」にて実施中です。
「Sake Bottle Opener」誕生のきっかけは、2022年に諏訪田製作所を訪れた株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANY代表の中田英寿さんが手にした、1本のビール用ボトルオープナーでした。その機能美に同社のものづくり精神を見た中田さんは、「誰もが憧れる美しい日本酒オープナーを」とコラボを打診。そして3年の開発期間を経て、本商品が完成しました。
特徴は、厚みや強度などがさまざまな日本酒瓶の栓を、力を入れずに簡単に開けられること。瓶口を握らずに開栓できるため衛生的で、レストランなど、客前での開栓時にも美しいパフォーマンスが可能です。
また、ステンレス本来の美しさが最大限に引き出されたデザインも魅力。職人の手で丁寧に磨きあげることにより、柔らかさや温かさが感じられるフォルムに仕上がっています。
(編集:SAKETIMES)