全国で酒蔵の軒数がもっとも多い新潟県で、毎年3月に開催される国内最大級の日本酒イベント「にいがた酒の陣」。
「にいがた酒の陣 2025」は、2025年3月8日(土)・9日(日)に開催され、80の酒蔵が参加。2日間で18,000名が来場し、盛況のうちに幕を閉じました。
「にいがた酒の陣」の最大の特徴は、入場チケットがあれば、80蔵・約500種類の日本酒を飲み比べることができること。さらに、酒蔵によっては、このイベント限定の特別な日本酒や普段はなかなか手が出せない高級酒を有料試飲で味わうこともできます。
【速報レポート】国内最大級の日本酒イベント「にいがた酒の陣 2025」の初日に編集部が参加してきました!(3/9公開)
多様化し続ける新潟県の日本酒─「にいがた酒の陣 2025」で感じた新たな進化(3/13公開)
新潟県の日本酒を象徴するのは、ドライですっきりとした「淡麗辛口」の味わい。イベントに参加していたほとんどの酒蔵が、伝統の「淡麗辛口」を大事にしています。特に、1990年代の地酒ブームを牽引し、全国にファンを抱える銘酒「越乃寒梅」「久保田」「〆張鶴」などのブースには、常に長い行列ができていました。
その一方で、伝統の「淡麗辛口」だけでなく、新しい酒造りにチャレンジしている酒蔵も増えています。
たとえば、栃倉酒造の「米百俵 純米酒 白麹仕込み」は、その名のとおり、焼酎の製造に使用されることの多い白麹を使い、柑橘類を思わせる爽やかな酸味を生み出しています。越後鶴亀のブースでは、ワインを思わせるフルーティーで上品な香りと酸味を感じる「越後鶴亀 ワイン酵母仕込み 純米大吟醸」が人気を集めていました。
また、麒麟山酒造、王紋酒造、弥彦酒造のブースで提供されていた、「淡麗辛口」の酒質を活かした日本酒のソーダ割も、新たな楽しみ方のひとつです。
「淡麗辛口」の味わいで全国区となった新潟県の日本酒。しかし、代替わりや事業継承などによる新しい視点を持った造り手が増え、従来の「淡麗辛口」だけにとらわれない新しい味わいや多様化が進んでいる印象でした。
音楽を通して、酒造りに参加するプロジェクト
音楽の振動で日本酒の味が変わる─富士通と三芳菊酒造によるユーザー参加型の酒造り「Join&Make」プロジェクト(3/26公開)
「音楽を聴かせると、食べ物や飲み物がおいしくなる」という話がありますが、日本酒を造る酒蔵でも、発酵の最中にクラシックなどを聴かせる事例があります。
そんな「音楽」と「発酵」に注目して、徳島県の酒蔵・三芳菊酒造と国内最大手のIT企業・富士通が共同でプロジェクトに取り組んでいます。
その内容は、富士通が開発したサービス「Join&Make」のユーザーが楽曲に投票し、選ばれた音楽で発酵途中の醪(もろみ)を振動させて日本酒を造るというもの。振動によって発酵が活性化され、日本酒の味わいが変化するというのです。
その第1弾の商品となる「SAKE WAVE FES 01」は、すでに完売。第2弾の「SAKE WAVE FES 02」は、2025年4月8日(火)に発売されます。
「八海山」がロサンゼルス・ドジャースの公式日本酒に決定!
「八海山」がロサンゼルス・ドジャースの公式日本酒に決定!八海醸造グループがパートナーシップ契約を締結
Hakkaisan 八海醸造株式会社グループ(新潟県南魚沼市)は、メジャーリーグ・ベースボール(MLB)ナショナルリーグ西地区所属のロサンゼルス・ドジャースと、2年間のパートナーシップ契約を締結しました。
この契約締結により、日本酒「八海山」が、ロサンゼルス・ドジャースの公式日本酒として採用されます。
試合期間中には、ドジャー・スタジアムでしか手に入れることができないオリジナルカップで「八海山」を販売するほか、スコアボードのドジャー・ビジョンや球場の客席にあるパビリオンLEDに広告を掲出。さらに、「八海山」が楽しめる来場者向けの体験イベントなど、さまざまな施策を実施予定です。
4月は、日本酒イベントが盛り沢山!
SAKETIMES編集部に届く最新の日本酒情報のなかから、2025年4月に開催される日本酒イベントを紹介します。
全国80蔵以上・約250種類の日本酒や焼酎が集まる「混祭2025」が、4/11(金)~13(日)に東京・高輪ゲートウェイシティで開催
JR高輪ゲートウェイ駅前に誕生する新たな街「高輪ゲートウェイシティ」を会場に、80以上の日本酒蔵や焼酎蔵が集結するイベント「混祭(こんさい)2025」が、2025年4月11日(金)~13日(日)に開催されます。
「混祭2025」は、2025年3月27日(木)に開業した新たな街「高輪ゲートウェイシティ」のまちびらきイベントの一環として、camo株式会社と株式会社ルミネが共催する日本酒と焼酎のイベントです。会場は、高輪ゲートウェイ駅北側の泉岳寺駅方面から南側の品川駅方面をつなぐ約300メートルの散策道「高輪リンクライン」。
会期中は、80以上の日本酒蔵や焼酎蔵が日替わりで参加し、3日間で約250種類のお酒が提供されるほか、お祭りに欠かせない食べ物もフードトラックで販売されます。
約40軒の人気店が集結する食の祭典!「dancyu祭2025」が、4/12(土)・13(日)に東京・新宿住友ビル 三角広場で開催
人気グルメ雑誌「dancyu(ダンチュウ)」の掲載店など、約40軒の人気店が提供する料理やお酒を楽しめるグルメイベント「dancyu祭2025」が、2025年4月12日(土)・13日(日)に、東京・西新宿の新宿住友ビル 三角広場で開催されます。
「dancyu祭」は、1990年の創刊以来、日本の食文化をリードしてきた人気グルメ雑誌「dancyu」が、2012年より開催している食の祭典です。
11回目となる今回のテーマは、「食こそエンターテインメント!」。飲食店や酒販店など、約40軒の多彩なお店が集結し、有名シェフがその場で腕を振るう特別メニューや、人気酒蔵の日本酒や海外のクラフトビール、ここでしか食べられないスイーツやパンなどをずらりと取り揃えて、食いしん坊の方々を迎えます。
日本酒を提供するのは、幅広い層の日本酒ファンに応える品揃えが特長の酒販店「IMADEYA」。2025年2月6日発売の別冊「日本酒dancyu」にて紹介された銘柄も数多く味わえます。
全国の120蔵が集結!国内最大級の日本酒イベント「CRAFT SAKE WEEK 2025 at ROPPONGI HILLS」が、4/18(金)~29(火・祝)に開催
各日10蔵・計120蔵の酒蔵が参加する国内最大級の日本酒イベント「CRAFT SAKE WEEK 2025 at ROPPONGI HILLS」が、2025年4月18日(金)~29日(火・祝)に、東京・六本木ヒルズアリーナにて開催されます。
このイベントのオーガナイザーを務める中田英寿さんは、全国47都道府県を巡り、日本が誇る文化や技術の素晴らしさに出会ってきました。その中でも、特に日本酒の奥深さと可能性を感じたことから、2016年に「CRAFT SAKE WEEK」をスタート。日本酒の魅力や、日本酒と密接な関係にある食文化を発信しています。
2025年の「CRAFT SAKE WEEK」は、2024年に続いて12日間の開催。期間中は毎日異なるテーマが設けられ、それぞれのテーマに合わせて厳選された各日10蔵・計120蔵の酒蔵が参加します。いつ来ても新しい発見があり、自分の好みに合った日本酒を見つけることができます。
最終日には、山形県・高木酒造の「十四代」をはじめとするドリームチームが集結。日本酒業界を牽引する若手からレジェンドまでが集まる、日本酒の"今"を知るのに最適なイベントです。
静岡県の22蔵・60種類以上の地酒が大集合!「静岡 美酒祭 2025」が、4/19(土)・20(日)に静岡市駿河区で開催
静岡県の22蔵・60種類以上の日本酒を味わえる利き酒イベント「静岡 美酒祭 2025」が、2025年4月19日(土)・20日(日)に、JR東静岡駅隣接の複合施設「グランシップ」にて開催されます。
富士山、南アルプス、天城という国内屈指の水源に恵まれた静岡県は、全国各地の日本酒鑑評会で高く評価される酒蔵を数多く有する酒どころでもあります。今回が2回目となる「静岡 美酒祭」は、そんな静岡県の酒蔵が集結する利き酒イベント。当日は、静岡県の22蔵・60種類以上の日本酒が用意され、参加者はお猪口を片手に各ブースを回り、蔵人と会話しながらお酒を味わえます。
また、静岡県の飲食店など5店舗による飲食ブースもあり、わさびや桜海老、静岡市の銘柄牛「静岡するが牛」などを使ったおつまみと日本酒のコラボレーションも楽しめます。
群馬県の19蔵が大集合!「第28回 群馬の地酒フェスタ」が、4/19(土)に高崎市・Gメッセ群馬で開催
群馬県産の酒米と酵母、そして群馬県の仕込み水を使用した日本酒「舞風」の発売日に合わせて、「第28回 群馬の地酒フェスタ オール群馬の地酒『舞風』お披露目会」が、2025年4月19日(土)に、Gメッセ群馬(群馬県高崎市)にて開催されます。
「舞風」は、群馬県農業技術センターで開発された酒米「舞風」と、群馬県産の酵母、そして群馬県の仕込み水を使用した"オール群馬"の日本酒です。群馬県酒造組合が定めた基準をクリアしたものだけが、毎年、県内の各蔵から個性豊かな日本酒「舞風」として発売されています。
「第28回 群馬の地酒フェスタ」では、この日本酒「舞風」のお披露目と試飲が行われるほか、群馬県の19蔵が一堂に会し、各蔵の日本酒の飲み比べが楽しめます。
(編集:SAKETIMES)