飲食店や酒販店で日本酒を選ぶ時に、「純米酒」「吟醸酒」「純米大吟醸酒」などと書かれたラベルの表示を基準にしている方は多いと思います。これらの表示は「特定名称」と呼ばれる区分で、ある一定の条件を満たす日本酒に付けられる名称です。
その条件のひとつが「精米歩合」。
これまで、日本酒の世界では、「原料となる米を削れば削るほど、雑味がなくすっきりとした味になる」と言われてきました。しかし、その定説を変えるのが、広島県の精米機メーカー・株式会社サタケが開発した「真吟精米(しんぎんせいまい)」とよばれる精米技術です。
これまでの精米方法(球形精米)では、米の形が丸くなるように削っていました。対して、サタケの「真吟精米」は、米をもともとの形に沿って削ることで、平べったいラグビーボールのような形になります。
精米技術の進化が日本酒をさらにおいしくする─「富久長」「伯楽星」の各蔵元が語る「真吟精米」の魅力(10/30公開)
日本一おいしい市販酒を決める日本酒の品評会「SAKE COMPETITION 2024」の純米酒部門では、この真吟精米を活用した今田酒造本店(広島県)と新澤醸造店(宮城県)の日本酒が、出品酒261点の中で第1位と第2位に輝きました。
真吟精米を実際に活用している酒蔵は、その魅力をどのように感じているのでしょうか。SAKETIMES編集長の小池が、今田酒造本店の代表取締役・今田美穂さんと、新澤醸造店の代表取締役・新澤巖夫さんにお話をうかがいました。
未来へと着実に進む地元蔵の取り組み
山形県小国町に唯一残る酒蔵・桜川酒造の新たなスタート─地元の酒米農家が蔵元杜氏を目指して(10/21公開)
山形県の南西部、新潟県との県境に位置する小国町。冬になると積雪が2メートルを超えることもある日本有数の豪雪地帯としても知られています。
そんな小国町に唯一残る酒蔵が、代表銘柄「小国桜川」を醸し続けてきた桜川酒造。創業から300年以上の歴史を誇る酒蔵ですが、この数年で経営危機に直面し、2023年に経営体制を一新しました。
今回は、代表取締役社長の石井宏和(いしい・ひろかず)さんをはじめとした関係者に、桜川酒造のこれまでの歩みとともに、クラウドファンディングなどの新しい挑戦について、お話をうかがいました。
「共同醸造」で被災蔵の酒造りに伴走する石川県の銘酒蔵・福光屋【能登半島地震 復興支援】(10/23公開)
2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」では、能登地方を中心に、建物の倒壊や商品の破損など複数の酒蔵が被害を受けました。
そんな中、同じ石川県の金沢市にある福光屋(代表銘柄「加賀鳶」)が、酒蔵が全壊した能登町の鶴野酒造店(代表銘柄「谷泉」)との共同醸造など、被災した酒蔵の復興支援に積極的に取り組んでいます。
6月には、鶴野酒造店から救出された酒米を使用した純米大吟醸酒「鶴と福」を、7月には、それぞれの代表銘柄をブレンドした「谷泉×加賀鳶」を発売。
そんな福光屋の支援活動について、鶴野酒造店との共同醸造を中心に、杜氏の板谷和彦さんにお話をうかがいました。
日本酒と和菓子、異なる要素が混じり合って見えてきた未来への期待─井村屋グループの酒蔵「福和蔵」の3年間を振り返る(10/31公開)
「あずきバー」で知られる三重県津市の総合食品メーカー・井村屋が、2021年に立ち上げた日本酒ブランド「福和蔵(ふくわぐら)」。異業種からの新規参入で社内に酒造りの経験者がいなかったにもかかわらず、すでに国内外のコンテストで好成績を収めるまでに成長し、注目されています。
今回は、日本酒業界への参入を決断した当時の井村屋グループの会長(現 取締役会議長)浅田剛夫さんと、日本酒をはじめとしたお酒と食に関する専門家であるトータル飲料コンサルタントの友田晶子さんの対談を通して、2024年に4年目を迎えた福和蔵の歩みを振り返ります。
海外からみた日本酒の現在地
世界的なワインコンテスト「IWC 2024」の上位入賞酒を楽しめる!─日本橋で開催される「プレミアム日本酒試飲会」の魅力(10/2公開)
イギリスのロンドンで毎年開催されている世界的なワインコンテスト「International Wine Challenge」(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門における、2024年の審査結果が7月に発表されました。
最高賞の「チャンピオン・サケ」に輝いた、都美人酒造(兵庫県南あわじ市)の「都美人 太陽」をはじめ、全国各地の銘酒が賞を獲得しています。
そんな受賞酒の数々を試飲することができるイベント「プレミアム日本酒試飲会」が、11月2日(土)、日本橋の「YUITO 日本橋室町野村ビル」にて開催されます。今年が11回目の開催となるこのイベントの魅力を紹介します。
世界的ワインコンテストが与えた酒造りの自信とプライド─歴代チャンピオン酒蔵に聞いた「International Wine Challenge」の影響力(10/17公開)
海外の日本酒コンテストを代表するひとつが、イギリス・ロンドンで開催される「International Wine Challenge(インターナショナル・ワイン・チャレンジ/以下「IWC」)」です。
2007年に設立されたSAKE部門は、「普通酒」「純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「本醸造酒」「吟醸酒」「大吟醸酒」「スパークリング」「古酒」「熟成酒」の10カテゴリーに分けられ、各カテゴリーのなかでもっとも優れた出品酒に「トロフィー」の栄誉が与えられます。さらに、各カテゴリーのトロフィーを獲得した出品酒から1点に、SAKE部門の最高賞として「チャンピオン・サケ」の称号が与えられます。
これまで、IWCの最高賞を獲得した酒蔵は、受賞によってどのような恩恵を受けてきたのでしょうか。
2021年にチャンピオン・サケを受賞した長野県の諏訪御湖鶴酒造場と、2008年・2016年に受賞した山形県の出羽桜酒造に、お話をうかがいました。
「日本酒は日本の文化だ」と100年後も言えるために─ワインの世界的権威が語る日本酒の未来と大手酒蔵の役割(10/18公開)
「日本酒新時代における大手蔵元の取り組みを学ぶ」をテーマに、日本ソムリエ協会主催の日本酒セミナーが開催されました。
講師は、ワイン業界においてもっとも権威のある資格「マスター・オブ・ワイン」(Master of Wine)を日本在住で唯一保持している大橋健一さん。
日本酒業界を牽引する酒造会社のひとつである宝酒造の取り組みを例に、日本酒のこれからを考えるという内容です。
セミナーでは、2023年に発売されたプレミアム日本酒「松竹梅白壁蔵 然土(N・end/ねんど)」をはじめ、宝酒造の最新の取り組みが紹介されました。
「獺祭」「七賢」も注目するオーストラリアの日本酒市場─現地コンテスト「Australian Sake Awards」の大きな役割とは(10/22公開)
オーストラリアのシドニーで、2022年から毎年開催されている日本酒コンテスト「Australian Sake Awards」。
この日本酒コンテストを立ち上げたのは、オーストラリアで訪日観光プロモーションや日本産食品・酒類のオーストラリア進出支援などを行う「JAMS.TV」という企業です。オーストラリアの日本酒市場としての大きな可能性を信じ、品評会を通してその成長を促すことを目指しています。
この記事では、本コンテストの主催者や現地の日本酒専門家、そして実際に出品している酒蔵の話を通して、オーストラリアの日本酒市場の現状や、Australian Sake Awardsの魅力に迫りました。
受賞されたみなさま、おめでとうございます!
「Kura Master 2024」の最高賞「プレジデント賞」が発表されました!─フランス人によるフランス人のための日本酒コンクール(10/2公開)
日本時間の2024年10月2日(水)、フランスの日本酒コンクール「Kura Master」の最高賞「プレジデント賞」が発表されました。
「Kura Master」は、フランス人を中心に、五ツ星ホテルのトップソムリエ、ミシュランで星を獲得しているレストランの関係者、ホテル・料理学校の関係者、ワインジャーナリストなど、現地のプロフェッショナルたちが審査員を務める、フランス人によるフランス人のためのフランスの地で開催される日本酒コンクールです。
第1次審査を通して、部門ごとに決勝へ進出する出品酒を決定し、さらに第2次審査を通して、各部門の上位入賞が決まります。また、プラチナ賞を獲得した全部門の出品酒の中から1点に、最高の栄誉である「プレジデント賞」が与えられます。
2024年の栄えある「プレジデント賞」は、兵庫県・小西酒造株式会社の「超特撰 白雪 伊丹諸白 大吟醸」が受賞しました。
女性のみが審査員を務める「第2回美酒コンクール2024~福井・北陸大会~」の最高賞「美酒 of The Year」が発表されました!(10/25公開)
酒類資格を持つ女性のみが審査員を務める日本酒コンクール「第2回美酒コンクール2024~福井・北陸大会~」の部門最高賞「TOP OF THE BEST」と、最高賞「美酒 of The Year」が、2024年10月25日(金)に発表されました。
本コンクールの大きな特徴のひとつが、日本酒コンクールでは一般的な「特定名称」別の部門ではなく、「香味特性」別の部門で審査が行われる点です。
今回は、「フルーティー」「ライト&ドライ」「リッチ&ウマミ」「エイジド」「ロウ・アルコール」「スパークリング」の6部門で審査が行われ、その審査結果は、女性をはじめとする一般消費者にとって、わかりやすい日本酒選びの指標となります。
各部門で最高得点を獲得した出品酒が「TOP OF THE BEST」に選ばれ、さらに、すべての出品酒の中から、最高得点を獲得した1点に、最高賞として「美酒 of The Year」が与えられます。今回の「美酒 of The Year」は、滋賀県・松瀬酒造株式会社の「松の司 純米吟醸 みずき」が受賞しました。
「2024年度 全米日本酒歓評会」の結果が発表されました!(10/26公開)
2001年から毎年開催されている、日本国外でもっとも歴史の長い日本酒の品評会「全米日本酒歓評会」の審査結果が、日本時間の2024年10月26日(土)に発表されました。
出品部門は、以下の5つ。精米歩合の数字が高い(=あまり精米していない)純米酒の出品が増加したため、本年度から純米酒部門が2つに分けられました。
- 大吟醸酒部門A(精米歩合40%以下/純米大吟醸酒も含む)
- 大吟醸酒部門B(精米歩合50%以下/純米大吟醸酒も含む)
- 吟醸酒部門(精米歩合60%以下/純米吟醸酒も含む)
- 純米酒部門A(精米歩合60%以下)
- 純米酒部門B(精米歩合60%を超える)
厳格な審査のもと、197蔵587点の出品酒の中から161点に金賞、138点に銀賞が授与され、その中でさらに高得点を獲得した出品酒には、グランプリ・準グランプリが与えられます。
(編集:SAKETIMES)