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酒造りを支える酒米づくり!富山県・南砺(なんと)の「第23回なんと酒米サミット2017」レポート

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富山県西部に位置する南砺(なんと)市は、米の作付面積5,000ヘクタールのうち、その約4割を酒造好適米が占める富山県内有数の酒米の産地です。そこで毎年行われる「なんと酒米サミット」は、県内外の蔵元や酒販売業者・酒米の生産者など酒造りに関わる関係者に酒米栽培状況を見てもらい、南砺市の酒米をアピールする目的で開催されています。23回目を迎えた今回は7月19日(水)に開催され、関係者約150人が参加しました。

◎参加酒蔵(計22蔵)

  • 富山県外:大七酒造、浦里酒造店、小林酒造、山田商店、山忠本家酒造、藤市酒造、中埜酒造、原田酒造㈱、盛田、澤田酒造、宮崎本店、元坂酒造、黒龍酒造
  • 富山県内:皇国晴酒造、玉旭酒造、高澤酒造場、富美菊酒造、吉乃友酒造、清都酒造、若鶴酒造、成政酒造、三笑楽酒造

酒米が育つ水田で、その品種の特徴を学ぶ

ちょうど出穂したばかりの酒造好適米(山田錦・五百万石・雄山錦)の圃場(ほじょう)を巡回し、生育状況を見学します。

圃場見学1:山田錦

山田錦は、酒造好適米のうち、最も人気のある品種です。

昭和38年産で作付面積11,000ヘクタールまで普及しましたが、栽培しにくい特性から昭和59年産では2,000ヘクタールを割るまで減少。その後の需要増により平成10年産で6,000ヘクタールまで復活。適地は山陽地方の平野部や中間地、気温差の大きい粘土質の水田で特性を発揮する品種です。

富山県産の山田錦で醸す日本酒は、芳醇で丸みがある味わいになるように感じます。

圃場見学2:五百万石

五百万石は、東北南部から九州北部地帯まで幅広く栽培されている酒造好適米です。

昭和50年代後半には、酒造好適米のシェア50%を占めるほどの人気銘柄になりました。五百万石の生産量が最も多いのが新潟県で、富山県は次いで第2位。南砺市で育てられる酒米の中で、最も作付面積が大きい品種でもあります。

富山県産の五百万石の印象は、造り手が思い描く酒質にコントロールがしやすいのではないかと思います。もちろんその年の天候に左右されますが、おおむね素直な性格の酒米といえるかも知れません。

圃場見学3:雄山錦

最後に見学したのは、富山生まれ酒造好適米の雄山錦。

昭和61年から開発に着手し、14年に渡る試験栽培を繰り返し、平成12年に富山県の水稲奨励品種となりました。大粒で心白の発現が良く、玄米の蛋白含量が少ないのが特徴。吸水が速く、たくさん削っても砕けにくいことから、大吟醸に向いているようです。

富山県生まれの酒米ということもあり、富山の酒蔵が好んで使っているようです。雄山錦の日本酒は、キレがよく呑み疲れしないお酒が多いように思います。富山の食文化や風土にあった酒米ですね。

水田の巡回のあとは、酒米サミットに参加されていた酒蔵の紹介と各蔵の試飲会。南砺産の同じ酒米を使っても、各蔵の個性がでていました。

酒米が育つ風土に想いをはせて

「なんとサミット」で、農家と酒蔵が対話する光景が非常に素敵でした。農家、酒蔵、飲食店がしっかりと手を結び、今後さらに日本酒の発展につながっていくことを願います。

日本酒を飲む際に、その一杯の先にある酒米が育つ水田にも想いをはせてみてはいかがでしょうか。

(文/濱多雄太)

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濱多 雄太

1984年生まれ。富山県魚津市にて日本酒の楽しみを発信する飲食店『浜多屋 魚津駅前店』(ミシュランガイド北陸版掲載店) 『hamadaya LABO』を経営。食にまつわる資格:酒匠/日本酒学講師/全日本ソムリエ連盟ソムリエ/東京都ふぐ調理師。色々な視点から日本酒の魅力を伝えます。