毎晩のようにお酒を楽しんでいる人も多いと思いますが、日本酒は口当たりが良くてついつい飲み過ぎてしまいますね。最近では飲み口の柔らかい香り豊かな日本酒も増えていることから、日本酒好きを公言する女性も増えています。
そうなると気になるのが「日本酒はカロリーが高いから太りやすい」「たくさん飲み続けることで、お酒に強くなれる」「産前産後は飲酒を避けなければならない」といった、日常生活に関わる日本酒の噂です。
医学的な観点からみると実際どうなのか、『酒好き医師が教える最高の飲み方』(日経BP社刊)を監修した日本酒好きの医師・浅部伸一先生に真偽を確かめてみました。
妊娠中の飲酒は好ましくない
妊娠中の飲酒は、アルコールが胎盤を通ってしまうため、胎児が強く影響を受けることになり、好ましくありません。赤ちゃんの成長を妨げて奇形児の率を上げてしまうリスクはもちろん、お酒を飲む妊婦から生まれる赤ちゃんは小柄ということも分かっているようで、子宮での発達不良が心配されるからです。
「妊娠中に飲めば当然、血液を通って赤ちゃんの身体にも入っていきます。飲酒は未成年ですら禁止されているのに、赤ちゃんの脳や肝臓に対して良いわけがありませんよね」と、浅部先生。
産後、授乳している場合も、母乳にアルコールが含まれてしまうので良くありません。授乳の時期が終われば、身体の具合をみながら判断していくのが良いそうです。
女性はアルコールの影響を受けやすい?
それでは、月経中の飲酒は、身体にどんな影響を与えるのでしょうか。
浅部先生によれば「はっきりとわからないですが、あまり良くはないだろうと想像できます」とのこと。
出血のため貧血気味になり、脱水の症状も重なるため、飲酒の影響を受けやすい可能性があるようです。それでも、月経中だから絶対にお酒を飲んではいけないということはなく、「月経の程度には個人差があるので、人それぞれ」ということでした。
そもそも、女性は男性と比べて体格差があり、許容量が低くなることを忘れてはいけません。男性よりも少ない量でアルコール依存症になりやすく、アルコール性の肝障害が出やすいといわれています。アルコールを楽しむ女性が増えてきた現代、飲酒量に対して、さらなる注意が必要です。
◎参考文献
- 『酒好き医師が教える最高の飲み方』(著者:葉石かおり、監修:浅部伸一/日経BP社)
- 最新医学のエビデンスをもとに、お酒の正しい飲み方を指南した一冊。お酒の楽しみ方はもちろん、健康や美容との関係など、お酒を飲む人が抱く素朴な疑問に回答を示し、多くの読者から高い評価を得ている。
(取材協力/葉石かおり)
(文/乃木章)