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田植えから瓶詰めまでを共同作業! 信州・佐久の酒蔵後継者よる共同醸造プロジェクト「SAKU13」3rdシーズンの新酒が完成

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長野県佐久地方で日本酒を醸す13軒の酒蔵の若手後継者たちが、一緒に育てた酒米を使って共同で美酒を造るプロジェクト「SAKU13(サク・サーティーン)」をつくり、2013年から活動をしています。

プロジェクトに参加している酒蔵と代表銘柄は、以下の通りです。

・大澤酒造(佐久市) 「明鏡止水」
・大塚酒造(小諸市)  「浅間嶽」
・木内醸造(佐久市)  「初鶯」
・橘倉酒造(佐久市)  「菊秀」
・黒澤酒蔵(佐久穂町) 「井筒長」
・佐久の花酒造(佐久市) 「佐久の花」
・武重本家酒造(佐久市) 「御園竹」
・千曲錦酒造(佐久市) 「千曲錦」
・土屋酒造店(佐久市)  「亀の海」
・戸塚酒造店(佐久市) 「寒竹」
・伴野酒造(佐久市)  「澤の花」
・芙蓉酒造(佐久市)  「芙蓉」
・古屋酒造店(佐久市) 「深山桜」

メンバー全員で一緒に酒造りを行う「SAKU13」

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プロジェクトのもとになったのは、30~40代の蔵元後継者たちが2003年ごろに結成した「佐久若葉会」。佐久地方の酒と食のアピールのために、地酒の展示即売会を始め、その後軽井沢で大規模なお酒イベントを開催するなど精力的にPRをしてきました。

そして、「そろそろ次の企画をやろう」ということで、みんなで酒米を造り一緒に酒造りをしてできたお酒を「佐久の美酒」として販売することになったのです。

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こちらのお酒は2年目のもの

最近、全国各地に登場している酒蔵ユニットには、造りの工程ごとに複数の蔵元が担当してお酒を造りあげる「NEXT5(ネクスト・ファイブ)」や「DATE SEVEN(ダテ・セブン)」のようなタイプと、スペックなどのテーマを設定して、それぞれの蔵がお酒を造りその出来を競う「59醸(ゴクジョウ)」や「岡山ZARU(ザル)」などのタイプがあります。

しかし「SAKU13」はこれらのいずれとも違います。メンバー全員で田植えや稲刈り、精米、仕込み、搾り、瓶詰めまで共同して行い、酒質などの仕上がりは担当した酒蔵が全責任を負うことになっています。

1年目は伴野酒造が、2年目は大澤酒造が純米吟醸を造りました。そして、3年目の今季は黒澤酒造が担当しました。

3年目の担当蔵は、黒澤酒造

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黒澤酒造の杜氏、黒澤洋平さん

黒澤酒造は、黒澤兄弟が切り盛りをしており、長男で社長の孝夫さんが経営を、次男で杜氏の洋平さんが製造を担当しています。

3年目の造りということで、「これまでとは違ったことをやろう」という孝夫さんの提案で、13蔵の仕込み水をブレンドして使うことにしました。さらに、「1年目、2年目のお酒はきれいな酒質の純米吟醸でしたので、それとは違って骨太な味わいの酒にしたい」という洋平さんの想いから、黒澤酒造では十八番(おはこ)ともいえる生酛(きもと)酒母で造りに臨みました。

その仕上がりについて、洋平さんは次のように話されています。

「自分の蔵の商品を造るのとやり方は何も変わっていないのに、酵母が予想もしない動きを見せたのです。やはり、13蔵の水をブレンドしたのが原因かと思います。良くも悪くも面白い化学反応と言ってしまえばそれまでですが、醪の管理としてはこの冬の造りで一番苦労しました。搾りのタイミングもぎりぎりまで迷いました。搾った後はほっとしましたけど、心臓には悪かったですね」

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仕込みに使ったタンク

6/4(土)に銀座NAGANOにて新酒をお披露目

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私も呑ませていただきましたが、ヨーグルトを思わせる優しい酸味コクのある甘味が見事に調和した素晴らしい仕上がりに感じました。確かに1期目、2期目のSAKU13とは違った個性が光っていました。できあがったお酒は、6月4日(土)に銀座NAGANOにてお披露目されます。

さて、3期目のお酒がお披露目されるかたわら、実は4期目の酒造りもすでにスタートしています。5月下旬に田植えを行い、造りは戸塚酒造店が担当します。

「SAKU13」のプロジェクトは参加蔵が一巡する2026年まで続きます。美酒を造り続け、SAKUのブランドイメージ向上に力を尽くす「SAKU13」。私たちもしっかり呑んで応援しましょう。

◎イベント概要
「SAKU13 3rdシーズン御披露目会&佐久の美酒・美食会」
日程:2016年06月04日(土)
時間:15:30~16:45 第一部「SAKU13 3rdシーズン 御披露目会」(自由参加制)
17:30~19:30 第二部「佐久の美酒・美食会」(予約制)
会場:銀座NAGANO(東京都中央区銀座5丁目6-5 NOCOビル 1F・2F・4F)
お問い合わせ:佐久酒造協会若葉会(橘倉酒造(株)) TEL 0267-82-2006

※イベントの詳細、申込方法は銀座NAGANOのイベントページをご確認ください。

(文/空太郎)

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空太郎

日本酒指導師範(菊正宗認定)&酒伝道師です。 1年365日、日本酒を飲んでいます。 10人未満で丁寧にお酒を醸す銘酒小蔵がたくさん存在することが、 日本酒の多様性と魅力を維持するのには欠かせないと思っています。 そんな酒蔵の活動や、それを応援する酒販店や居酒屋の動きを お伝えしていきます。