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感性・感覚の伝承で八海山をさらなる高みに──精鋭蔵人で取り組む、最高品質の酒造り

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新潟、南魚沼の銘醸蔵・八海醸造は「高品質な酒の安定供給」を信条に、さまざまなラインアップの日本酒を造り続けてきました。その中でも、日常的に飲めるお酒の品質向上に力を入れてきましたが、最近になって「少数精鋭の蔵人で“最高品質の酒造り”に取り組んでいる」との情報をキャッチした SAKETIMES。安定供給をモットーにしてきた八海山が、なぜ、一度に造れる量が少ない“高級酒”に力を入れ始めたのか――その裏側には、八海山の造り手たちの思いが潜んでいました。

SAKETIMES が八海醸造の真髄に迫る特別連載。今回は八海山が取り組む最高品質の酒造りと、その拠点となっている「浩和蔵」についてご紹介します。

「浩和蔵」が生み出すのは、最高品質の酒と次世代を担う“杜氏”

豊かな自然に恵まれた南魚沼に本社を構える八海醸造は、3つの酒蔵を保有しています。普通酒や特別本醸造酒などの定番酒を醸造する「第二浩和蔵」、吟醸クラス以上を造る「吟醸蔵」。そして、限られた蔵人だけで最高品質酒の醸造に取り組む「浩和蔵」です。

浩和蔵で酒造りをする蔵人は50代が2名、40代が2名、30代が3名の合わせてわずか7名。この少ない人数で、原料処理から始まる一切の工程を管理しています。

仕込み時期に当たる1月から2月にかけては、朝は毎日5時過ぎに出社し、17時に業務終了。3日に1回は泊まり番が回ってくる日々が続く、たいへんにストイックな環境です。それでも、この「浩和蔵」で酒造りを学び、“杜氏”として認められたいという若手は、後を絶ちません。

八海山は、蔵人の「マイスター制度(杜氏制度)」を導入しています。この制度について、製造部長の南雲重光さんは次のように説明してくれました。

「“マイスター制度”は、酒造りに関する知識や技術の習熟度などによって、蔵人自身がさらなる向上を目指すことを体系化した社内制度です。将来の杜氏を育成する場として、浩和蔵は重要な役割を担っています。
高い能力と技術を身につけた熟練の蔵人が、浩和蔵で若い世代とともに酒造りをすることで、口伝することが難しい感覚的なコツや勘所を伝えています。また、若手の蔵人は技術力だけでなく人間性も向上させ、将来的には各蔵の杜氏になって、八海醸造の品質の向上と次世代への技術継承に努めていきます」

最高品質の酒のみならず、次世代の酒造りを担う“杜氏”も生み出していく……八海山にとって浩和蔵は、自社の明るい未来を切り開いていく、重要な場所なのです。

緊張感のにじむ「浩和蔵」での酒造り、培われる確かな“人間力”

酒造りに集中するため、普段は中の様子をうかがい知ることができない「浩和蔵」。今回 SAKETIMES では特別に、実際に浩和蔵での酒造りを取材させていただきました。

浩和蔵で酒造りの統括をしている製造部次長の田中勉さんは「ここで若手に学んでほしいことは?」という質問に対して、次のように答えてくれました。

「まずは、酒造りに対する姿勢ですね。私は毎年仕込みの時期になると、蔵に連日泊まり込みになります。『なぜ毎日、泊まる必要があるのか?』という理由を、いっしょに作業することで体感してほしいなと。面倒で手間のかかる一見非効率な作業にも、すべて意味がありますから。然るべき意識を持って、酒に向き合ってほしいですね。
それと、もうひとつ。浩和蔵で過ごす日々の中で、“蔵人として模範になる行動”を身につけてほしいです。“杜氏”とは、その蔵で行われる酒造りの最高責任者です。人の上に立つために必要なのは、技術だけではありません。そういうことも、伝えていけたらいいなと思っています」(製造部次長・田中勉さん)

“杜氏”になることを目指して浩和蔵の酒造りに参加している山之内勇気さんは、この田中さんの教えの重要性を肌で感じていると言います。

「浩和蔵での酒造りで特に勉強させてもらえているのは“人間力”です。『良い酒は、良い職場からしか生まれない』ことを、現場では痛感しています。だからこそ、杜氏は良い酒造りのために、良い現場づくりをすることが不可欠です。そのためにはコミュニケーション力、忍耐力、精神力、プレゼン力……これらを総合した“人間力”が求められる。言葉では表現しきれない“人間力”を鍛えさせてもらえる浩和蔵の環境は、とてもありがたいです」(製造部・山之内勇気さん)

「酒造りのすべてを把握しているプロの蔵人になりたい」との思いで浩和蔵に志願した関口豊さんは「ここは単純な技術だけではない、酒造りに必要な“姿勢”や“感覚”を培える場」だと語ります。

「酒造りにおける温度や水分、重量などの数値は、機械で効率よく管理できます。酒造りの教本にも、管理する上での目安となる数値が載っています。けれども、それはあくまで目安でしかありません。浩和蔵では、見た目・香り・味・音・手触りの五感すべてで酒の状態を見極め、数値に頼りすぎない最良の酒造りの技術を、大先輩方から学ぶことができています」(製造部・関口豊さん)

言語化の難しい“感性・感覚”の伝承が、八海山の酒をさらなる高みに運ぶ

「浩和蔵」は、八海山の技術をつぎ込んで最高品質の大吟醸を造るために、2014年10月に創業当時の蔵をリニューアルしたものです。これまでレギュラー酒の品質向上に努め、成長を続けてきた八海山が、なぜハイエンドの大吟醸造りに力を入れるようになったのでしょうか。

「弊社における“大吟醸造り”は、単に『高級な酒を造ろう』という思いから注力し始めたわけではありません。私たちは自分たちが醸す大吟醸を、普段からお飲みいただくレギュラー酒のお手本として、また弊社の酒造りのこだわりや技術力の象徴として、お客様に届けていきたいと考えています。浩和蔵での挑戦は、大吟醸の酒質・技術の向上を目指すばかりではなく、そこから得た技術力や知識を、弊社で製造するすべての酒造りに応用するところまでを見据えています」(製造部長・南雲重光さん)

浩和蔵は、現状に満足せずに邁進し続ける八海山の決意が結実した施設と言っても過言ではないでしょう。

「酒造りが近代化・機械化したおかげで、昨今の日本酒の品質は高い水準で安定しています。しかしながら、私たちは理論だけでは説明のつかない“感性・感覚”が、日本酒造りには重要であり、不可欠だと考えています。浩和蔵ではこの“感性・感覚”の伝承を大切にしています。理論や機械の力に極めて人間的なスキルが高次元にかけ合わされた時、今までにないより良い品質の日本酒ができると、私たちは確信しています」(製造部長・南雲重光さん)

◎「純米大吟醸八海山 浩和蔵仕込」 のご案内

八海山の酒造りの真髄が詰まった「浩和蔵」。この蔵で、最高級品質を追求したプレミアムな日本酒が「純米大吟醸八海山 浩和蔵仕込」です。品質に対する一切の妥協を許さず、蔵人の最良の技術と情熱を惜しみなく注ぎ込んだ渾身の1本で、料理の味を引き立てる「日本の日本酒」として、国内はもちろん世界のテーブルに置かれる酒を目指して造られました。

SAKETIMES読者の皆さんには、ぜひ一度ご賞味いただきたい逸品です。

(取材・文/西山武志)

sponsored by 八海醸造株式会社

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