新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、全国的に外出の自粛が呼びかけられている現在。国内産業の全体が経済的損失を被っています。それは酒類産業も例外ではありません。飲食店や酒販店、そして酒蔵の多くも危機的な状況に立たされています。
そんな中、「苦しんでいる酒蔵を家飲みで応援したい!」という地酒ファンが、酒蔵へ直接問い合わせるケースが急増しているといいます。
これを受けて、日本酒蔵と焼酎蔵の有志が「Japan Sake Platform Sake × Shochu」を設立。ともに「国酒」という日本文化を造り伝える蔵元たちが一緒になって、それぞれが造る銘柄を買える主要な酒販店の一覧を公開しました。
次の文章は、蔵元のみなさんからのメッセージです。
現在、新型コロナウイルスの影響によって、飲食業界は軒並み致命的な経済的被害を被っております。
これら飲食業界の中でも、特に地酒にまつわる業者はいずれも事業規模の面では零細企業が多く、現状のような厳しい状況に長期間耐えることは難しいと思われます。
酒販店や酒蔵には長い歴史を持つものが少なくはありませんが、こうした企業が次々と失われてゆくとしたら、これは文化保護の観点からも大きな損失と言えるでしょう。
こうした必要性から、このたび地酒業界の未来を憂う蔵元有志が集い、地酒の購買に関する有益な情報を積極的に発信してゆくことにいたしました。今まで私たち酒蔵を支えてくれた酒販店また飲食店の一助となれば幸いです。
お客様におかれましては、このような御時世だからこそ、上質な地酒を手に入れていただき、明日への活力を得ていただけましたら幸いです。
国酒である日本酒と焼酎につきまして、変わらぬご愛顧のほどをよろしくお願い申し上げます。
蔵元一同
本記事では、「Japan Sake Platform Sake × Shochu」に所属する酒蔵のお酒を取り扱っている酒販店の一覧をご紹介します。オンラインストアにて販売している酒販店もあるので、ぜひチェックしてみてください。
◎ご購入について
- 不要不急の外出を避けるため、通販に対応している酒販店につきましては、オンラインでの購入、あるいは電話・メールによるご相談の上でのご購入をおすすめいたします。
- 店舗でのご購入の際は、各酒販店の指示に従い、ほかの方との距離を十分にお取りいただくようお願いいたします。
- 在庫状況につきましては、各酒販店にお問い合わせください。
◎酒蔵リスト(日本酒蔵)
- 「新政」新政酒造株式会社(秋田県秋田市)
- 「一白水成」福禄寿酒造株式会社(秋田県南秋田郡)
- 「春霞」合名会社栗林酒造店(秋田県仙北郡)
- 「飛良泉」株式会社飛良泉本舗(秋田県にかほ市)
- 「まんさくの花」日の丸醸造株式会社(秋田県横手市)
- 「山の井」会津酒造株式会社(福島県南会津郡)
- 「天明」曙酒造合資会社(福島県河沼郡)
- 「仙禽」株式会社せんきん(栃木県さくら市)
- 「而今」木屋正酒造合資会社(三重県名張市)
- 「七本鎗」冨田酒造有限会社(滋賀県長浜市)
- 「笑四季」笑四季酒造株式会社(滋賀県甲賀市)
- 「澤屋まつもと」松本酒造株式会社(京都府京都市)
- 「風の森」油長酒造株式会社(奈良県御所市)
- 「賀茂金秀」金光酒造合資会社(広島県東広島市)
- 「富久長」株式会社今田酒造本店(広島県東広島市)
- 「雨後の月」相原酒造株式会社(広島県呉市)
- 「若波」若波酒造合名会社(福岡県大川市)
- 「田中六五」有限会社白糸酒造(福岡県糸島市)
- 「花の香」花の香酒造株式会社(熊本県玉名郡)
◎酒蔵リスト(焼酎蔵)
- 「杜氏潤平」小玉醸造合同会社(宮崎県日南市)
- 「松露」松露酒造株式会社(宮崎県串間市)
- 「百年の孤独」株式会社黒木本店(宮崎県児湯郡)
- 「青鹿毛」柳田酒造合名会社(宮崎県都城市)
- 「八千代伝」農業法人 八千代伝酒造株式会社(鹿児島県垂水市)
- 「一尚ブロンズ」小牧醸造株式会社(鹿児島県薩摩郡)
- 「なかむら」有限会社中村酒造場(鹿児島県霧島市)
秋田県の酒蔵
「新政」新政酒造株式会社(秋田県秋田市)
嘉永五年(1852年)に創業。最古の市販清酒酵母である6号酵母の発祥蔵として名高い。伝統的製法への造詣が深く、全量この6号酵母で仕込むほか、全ての酒で生酛仕込みを行っている。
目下33本もの木桶を所有し、2年以内に全量木桶仕込みとすることが目標である。原料米にもこだわり、秋田県産米しか用いないほか、10町におよぶ無農薬自社田を運営しているなど、徹底した地方主義・自然派の造りを模索している。
◎酒蔵情報:新政酒造株式会社
「一白水成」福禄寿酒造株式会社(秋田県南秋田郡)
創業1688年(江戸元禄元年)、初代渡邉彦兵衛が秋田県五城目町の地で酒造りを始める。秋田県五城目町は、なまはげで有名な男鹿半島、八郎潟の東に位置し秋田杉を材料とした産業が多い。酒蔵の前には500年前から続く朝市もある。春は山菜、秋田はきのこ、山の幸と海の幸の交換場所から発展していった。
その朝市通りに面したところに蔵がある。仕込み水は蔵の敷地内からの地下水。原料米は、地元「五城目町酒米研究会」に所属する農家と契約栽培をしている。
地の「米」、地の「水」、地の「人」をテーマに、秋田県五城目町の文化を感じさせる酒造りを目指す。2017年には農業法人も立ち上げ、契約農家と共にこれからの農業を見据える取り組みも考えている。
◎酒蔵情報:福禄寿酒造株式会社
「春霞」合名会社栗林酒造店(秋田県仙北郡)
秋田の酒米「美郷錦」で醸す、やわらかな食中酒。派手さはありませんが、じっくり味わえるお酒を少数精鋭でていねいに造っています。
◎酒蔵情報:合名会社栗林酒造店
「飛良泉」株式会社飛良泉本舗(秋田県にかほ市)
創業1487年(室町時代中期)、東北最古の蔵元です。「はでな桜の花よりも、地味ながらもふくらみのある梅の花のような酒をつくりたい」を信条に、小蔵ならではのきめの細やかな手造りを守り続けています。
◎酒蔵情報:株式会社飛良泉本舗
「まんさくの花」日の丸醸造株式会社(秋田県横手市)
当社は、毎年酒米や酵母が異なるお酒を50種類以上醸します。
完成したお酒はブレンドすることなく、そのまま瓶に詰め、生原酒もしくは一度火入れ原酒としてお客様のもとにお届けします。本数が限られているため、季節限定商品として発売することが多いです。
さまざまな酒米の魅力を皆様に伝えられるよう、これからも挑戦の気持ちを忘れることなく、酒造りに邁進していきますので、応援よろしくお願いいたします。
◎酒蔵情報:日の丸醸造株式会社
福島県の酒蔵
「山の井」会津酒造株式会社(福島県南会津郡)
創業元禄年間と古い歴史があり、福島県の南西部に位置する南会津に蔵があります。
四季がはっきりと感じられ、真冬には-20℃にもなる極寒の地域で、敷地内の地下60mから汲み上げた超軟水の井戸水を使用し風土を活かした酒造りをしています。
歴史・伝統を引き継ぎながら、新しい技術も取り入れ洗練された蔵で、やわらかく、きれいで、飲みやすい酒を目指しています。
「天明」曙酒造合資会社(福島県河沼郡)
ていねいで清潔、繊細な造りから生まれる溢れる透明感。ふくしま・会津・坂下。郷土の風土、そして人を表現。
さまざまな食に寄り添う、料理を邪魔しない食中酒。日本酒に流れる、季節感をしっかり意識、表現。自由で楽しい明るい酒を目指しています。
◎酒蔵情報:曙酒造合資会社
栃木県の酒蔵
「仙禽」株式会社せんきん(栃木県さくら市)
仕込み水と同じ水脈上の田圃に原料を作付け、収穫する「ドメーヌ」をコンセプトとし、江戸時代の醸造方法を現代に復活した「EDOSTYLE]。
酵母無添加の生酛、木桶を用い、原料には古代米「亀の尾」を使用し、伝統的製法を踏襲した「ナチュール」は超自然派日本酒。
◎酒蔵情報:株式会社せんきん
三重県の酒蔵
「而今」木屋正酒造合資会社(三重県名張市)
伊賀地方にある創業200年の老舗。
6代目が蔵に帰ってきて自ら杜氏となって造ったお酒を「而今」と命名。「而今」には「今を一生懸命生きる」という意味がある。
◎酒蔵情報:木屋正酒造合資会社
滋賀県の酒蔵
「七本鎗」冨田酒造有限会社(滋賀県長浜市)
琵琶湖の最北端、賤ヶ岳のふもと北国街道沿いの蔵。
銘柄は秀吉を天下に導いた七人の若武者「賤ヶ岳の七本鎗」に因む。地酒の「地」の部分に重きを置き、地元の「米・水・環境」で醸す本当の意味での地酒造りにこだわっています。
無農薬米の日本酒や山廃、生酛などの取組を進め、米の旨みがしっかりありつつ後切れの良い酒。2010年より熟成酒にも取り組み、各年のヴィンテージを持つ。
◎酒蔵情報:冨田酒造有限会社
「笑四季」笑四季酒造株式会社(滋賀県甲賀市)
忍者と信楽焼が有名な滋賀県甲賀市にて、地元産の契約栽培米のみで醸す小さな蔵。
蔵元・竹島充修自ら酒造りの陣頭指揮をとり、乳酸菌研究に培われた独自の乳酸菌を利用した酒母がもたらす複雑な味わいと、米の甘みを全面に押し出した甘口の設計を志しています。
◎酒蔵情報:笑四季酒造株式会社
京都府の酒蔵
「澤屋まつもと」松本酒造株式会社(京都府京都市)
伝統を守り、新しい感性をもって、新境地を創造する。
Sawaya is the “Yago” literary meaning “house name” which is used for names of guild, studio and business that is traditionally passed down since the establishment of the brewery during the Edo period.
Sawaya Matsumoto preserves the tradition of Japanese sake brewing for more than 220 years in the city of Kyoto.The key to passing down the tradition is our spirit of “SHUHARI”.
守破離-SHUHARI-
守-SHU- is to preserve tradition
破-HA- is to come up with new ideas to break with tradition
離-RI- is to create new values as you treasure both 守-SHU- and 破-HA-
◎酒蔵情報:松本酒造株式会社
奈良県の酒蔵
「風の森」油長酒造株式会社(奈良県御所市)
大寺院が現代の清酒造りの礎とも言える技術革新を確立した場所。日本清酒発祥の地ともいわれる奈良。この地は時に伝統格式を重んじ、物事の文化的側面を支え、また、その一方でその伝統を改変し、新たな伝統を作り上げるということにも長けた一面を備えた場所。
「風の森」ではその後者を担い、現代にこそ造れる酒を徹底的に追求し、酒造りの新しい知見や技術をお酒造りに最大限に生かし、次の日本酒へ挑戦します。これにより得られる人間の五感をくすぐる酒体験により、次の世代へ日本酒文化を伝えてまいります。
◎酒蔵情報:油長酒造株式会社
広島県の酒蔵
「賀茂金秀」金光酒造合資会社(広島県東広島市)
創業1880年。桜吹雪銘柄で低価格酒を中心に販売していたが、2003年から「賀茂金秀」を立ち上げて、純米酒を中心に「こころに残る おいしいを求めて」をキャッチフレーズに酒造に勤しんでいる。
水は敷地内に湧く中硬水、麹に赤磐雄町を多用してフレッシュ&ジューシーな味わいをコンセプトにしている。
◎酒蔵情報:金光酒造合資会社
「富久長」株式会社今田酒造本店(広島県東広島市)
「富久長」はとても小さいですが、吟醸造りに徹底して高品質の日本酒だけを醸す蔵です。
地元広島県産の酒米を主な原料にしています。特に地元最古の在来品種の酒米「八反草(はったんそう)」の復活にも力を注いでいます。
弊社のある広島県安芸津町は、日本で初めて軟水で酒を造り、吟醸酒の父といわれる三浦仙三郎翁を輩出した広島杜氏の里です。100年以上にわたって受け継がれた伝統と技術力で、広島吟醸の魅力を世界に発信しています
◎酒蔵情報:株式会社今田酒造本店
「雨後の月」相原酒造株式会社(広島県呉市)
1875年、広島県呉市仁方本町で創業。明治の文豪徳富蘆花の「自然と人生」より命名した「雨後の月」は、その名の通り「上品、美しい、透明感」のある味わいを目指しています。
このため、瀬戸内海国立公園野呂山の伏流水で、出来るだけ良い酒米を使い、全てのお酒を純米大吟醸と同様に醸し、全てのお酒を冷蔵貯蔵し出荷しています。
◎酒蔵情報:相原酒造株式会社
福岡県の酒蔵
「若波」若波酒造合名会社(福岡県大川市)
日本一の生産量を誇るインテリアの町、大川。生活様式とともに常に進化する家具職人が住む大川で、若波酒造は1922年に創業しました。
口に含んだ米の味わいと余韻までがきれいに繋がる「味の押し波、余韻の引き波」をテーマに、酒職人による緻密でていねいな造りが信条です。日常に上質をプラスする、瑞々しく透明感のある「若波」や柔らかく軽快な「蜻蛉」などを醸しています。
◎酒蔵情報:若波酒造合名会社
「田中六五」有限会社白糸酒造(福岡県糸島市)
故郷が育てた山田錦で、醸す。自然に恵まれた福岡県糸島市を故郷に、先人の知恵に学ぶ酒づくりを続けています。
糸島は、知る人ぞ知る山田錦の産地です。初夏の田植え。緑の稲が風にそよぐ夏。開花、出穂。黄金色の頭を垂れる秋。その成長の一日一日を私たちは肌で感じ、冬の造りを迎えます。
酒米の最高峰といわれる山田錦。栽培適地の候補に挙がった糸島地区は、地道に研鑚を重ね、有数の産地に成長。白糸酒造はいつしか「山田錦の田んぼに囲まれた蔵」という地の利に恵まれることとなりました。「糸島に白糸酒造あり」故郷の人々が丹精込めた糸島産山田錦の酒を造り始めたのは、平成元年のこと。
地元の米で酒を醸し、昔ながらのハネ木搾りという上槽法でやさしく搾る。それが白糸酒造の酒です。今年も「糸島」への敬愛と感謝を酒一滴(ひとしずく)に込めて。
◎酒蔵情報:有限会社白糸酒造
熊本県の酒蔵
「花の香」花の香酒造株式会社(熊本県玉名郡)
日本遺産・菊池川流域に在る和水町は、はるか昔、阿蘇山大噴火の際に火砕流が凝固してできた土地の恩恵を受け、2000年以上米を作り続けている。
その菊池川流域に在る花の香酒造は、そのころから今日まで、大地に流れる澄んだ水を仕込み水とし、その同水域の稲作文化を引き継ぎ、全量を和水町の米だけにこだわった酒造りを追求している。
伝統や歴史を大切に熊本発祥「9号酵母」、熊本在来品種「穂増」を用い、地から、水から、天から、米からの恵みを受けて和水という土地をまるごと醸す。そして「花の香」という、その名のような香り高く華やかで優しく繊細な味を大切にしています。
◎酒蔵情報:花の香酒造株式会社
宮崎県の酒蔵
「杜氏潤平」小玉醸造合同会社(宮崎県日南市)
小玉醸造は宮崎県の南、日南市の城下町、飫肥にあります。創業は文政元年(1818年)、2000年に現代表が事業を継承しました。
手造りの麹にこだわり、「一途に醸す」「笑酎」をテーマに、芋焼酎と麦焼酎を製造しています。代表銘柄「杜氏潤平」は宮崎県産のお米「コシヒカリ」「ヒノヒカリ」で麹を、甘藷は地元、県南の「宮崎紅」を使用し常圧蒸留で仕上げています。飲み方を選ばないので、その時の気分や料理との組み合わせでお好きな飲み方でお飲みください。
「松露」松露酒造株式会社(宮崎県串間市)
宮崎県の最南端、鹿児島県との県境の串間市にある、創業九十余年の小さな蔵元。常に目指すのは、「毎日飲める焼酎」です。
そのために欠かせないのはしっかりした味わいとまろやかさの両立。レギュラー銘柄は全て2年以上の貯蔵を施し出荷しています。原料のさつまいもは完熟のもの、しっかりと熟成をさせたもの以外は使用せず、徹底した選別はもはや楽しみの域に。製麹から醪管理、蒸留、熟成まで毎年がチャレンジの連続です。
これからもみなさまの充実した酒ライフに寄り添えるよう、より良い酒質を目指し造りに励んでいきます。
「百年の孤独」株式会社黒木本店(宮崎県児湯郡)
明治18年の創業以来、黒木本店はひたすら焼酎造りの道に精進してきました。ただ焼酎だけを造り続けるのではなく、焼酎という、土地に根ざした伝統文化を守り継承していくという思いを大切にしています。
だからこそ黒木本店では農業から焼酎造りを始め、さらに製造過程で生じる廃棄物は有機肥料として有効利用し、自然の恵みを自然に還しています。それこそが私たちの考える焼酎造りです。
「青鹿毛」柳田酒造合名会社(宮崎県都城市)
柳田酒造がある都城市は、宮崎県の南西端、古くは薩摩藩の領地でした。この都城市で最も古い歴史を持つ焼酎蔵です。
代表銘柄は麦焼酎の「青鹿毛」。力強く奥深いコクと風味が特徴です。5代目の蔵元はエンジニアの経歴を持ち、生来の機械好きが高じてもろみの沸点と蒸留器を調整して蒸留した麦焼酎「赤鹿毛」は、素朴で柔らかい味わいの麦焼酎です。
芋焼酎の母智丘千本桜は創業当時から伝わる芋焼酎。黒麹を使い重厚で骨太なタイプの焼酎です。
鹿児島県の酒蔵
「八千代伝」農業法人 八千代伝酒造株式会社(鹿児島県垂水市)
「サツマイモ≒ブドウ」の考えのもと、使用するサツマイモの全量を自社栽培する全国唯一の“農醸一体”の蔵。仕込み水と同じ水系の水田群での麹米の栽培もスタートした。
醸造は一次・二次ともに全量かめ壺発酵。稀有な「農業法人の認可」や「製法特許」なども有する。
「一尚ブロンズ」小牧醸造株式会社(鹿児島県薩摩郡)
「古くて新しい焼酎」を目指し、伝統の焼酎製造技術も継承しながら様々な新しい取り組みにも挑戦し、焼酎の新たな味わいや可能性を見出せるよう日々焼酎造りに励んでいます。
また、世界中にも日本の蒸留酒としての焼酎を広げるために、輸出やコンペティションなど、積極的に海外に向けても発信しています。日本独自の蒸留酒である焼酎は、飲み方や味わいも多様性があり楽しめるお酒ですので、ぜひみなさんもお試しください。
「なかむら」有限会社中村酒造場(鹿児島県霧島市)
創業明治21年(1888年)。鹿児島県霧島市にて130余年、芋焼酎の製造に取り組んできた蒸溜所です。
ご存知ない方も多いと思いますが、芋焼酎は、製造過程ではワインや日本酒のように「農業」や「醸造技術」を重んじ、蒸溜後にはウイスキーやブランデーのように「熟成」や「ブレンド」に技術を要することで酒質設計を行うため、ハイブリッドで唯一無二のお酒だと私たちは考えています。
その中で、当蔵では特に麹造り(米麹)に注力し、すべての銘柄を麹室にて蓋麹製法を用いることで力強い麹を造っています。また機械的熱源(クーラーやヒーター、除湿器や加湿器など)を一切使用せず、麹菌や酵母が発する熱や湿度で温度上昇を図り、冷却には地下120mから汲み上げる水を使うなどして温度管理を行うことで、手間や時間は掛かりますが、自然な甘味や旨味を含んだ濃厚かつ軽快な芋焼酎を製造しています。
サツマイモはすべて掘ってから2日以内の新鮮な黄金千貫を使用。蒸留方法は昔ながらの常圧蒸留、熟成は約半年~1年と短いですが、各ヴィンテージをうまくブレンドすることで若々しさと穏やかさを兼ね備えた、バランスの良い酒質を目指しています。
外出の自粛要請が続く今、お酒を楽しむ場所は家飲みが中心となりました。ぜひこの機会に、応援している酒蔵のお酒をご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか。
みなさんが購入した一本は、きっと、酒蔵にとって大きな助けになるはずです。
(文/SAKETIMES編集部)